豚菜館
天理市
掲載日:2021年2月12日
大宇陀産の味わい深い醤油がキレよくまとめる、どこか懐かしいスープ。
天理といえば“スタミナラーメン”が有名なエリアで知られるが、今回ご紹介する【豚菜館】は醤油ラーメンの名店として地元市民だけでなく奈良県民に長年愛され続けているお店だ。
ラーメンのサイズは「小」「中」「特大」とあり、野菜の量やトッピングの種類が異なる。
私が注文した「醤油(特大)」は、焼豚・野菜・玉子・支那竹がトッピングされた豪華な一杯。
まずしっかりと味わってほしいのが、門外不出のスープ!
豚骨と鶏ガラを長時間炊き出して取った出汁は、あふれるような豚の旨味と油分が満足感を押し上げ、甘辛い醤油ダレがまとめ上げている。
初めて食べてもどこか懐かしく、誰もが親しみの持てる味わいなのだ。
ポイントは大宇陀から取り寄せているというお気に入りの醤油で、その醤油の味わい深さが何度もレンゲを進めさせる。
麺は、京都の名店が多く使用している京都・近藤製麺所の細麺を取り寄せており、しなやかで滑らかなのど越しが醤油スープと絶妙に合う。
たっぷりのお湯で麺を泳がし、平ザルで『チャッチャッチャ』と流れるように湯切りをしてどんぶりに盛り付けていく様も、なんとも心地よい光景だ。
チャーシューには豚のロースとバラ肉を使用。このチャーシューの脂もスープに加わって旨味が倍増させるので、ぜひチャーシューが豪快に盛り付けられる「特大」をオススメしたい。
また、支那竹の素朴ながら小気味よい食感や、たっぷりのフレッシュなネギやモヤシも、このラーメンには欠かせない立役者である。
親子三代で受け継がれる味わいとまっすぐにお客さんと向き合う姿勢。
昭和59年、国道24号線沿いに創業。それ以来奈良のラーメンシーンを支えてきた同店にファンは多い。
初代の森本一馬さんから孫の翔馬さんまで親子三代で店を切り盛りしており、そのアットホームさも親しまれる要因だ。
「時にケンカもするけど、おやっさんから受け継いだ味は財産です」と話すのは、現在二代目として麺場に立っている婿の福田義浩さん。
弟子入り志願者も多く訪れたというが、他人には一切教えず自分で味を守り続けてきた先代の背中を見て、これからも製法や味を守りながら変わらぬ一杯を提供し続けることを心に固く誓っている。
オープンキッチンで作り手の動きが包み隠さず見られる店内は、掃除が行き届いていることもこだわりの一つ。
また、「学割ラーメン」が学生に人気で、テスト期間ともなれば近くの学生でいっぱいになることもしばしば。
そうしたさまざまな企業努力によって常連客が途切れず、コロナ禍の現在もなんとか大きなダメージなく営業できている。
訪れたらぜひチェックしてほしいのが、100円で販売されているチャーシューの切れ端。
いつも争奪戦になるため、残っていたらラッキー。自宅でのおつまみはもちろん、ラーメンやチャーハンなどの味わいが格段にアップする一品だ。
長らく守ってきた味が変わってしまうため、今後も他店舗展開は視野にない。
2021年に37年目を迎える豚菜館は、この先も変わらずこの場所で多くの人たちに愛され続けていくだろう。
人気メニュー
- 醤油(特大) 950円
- 醤油(中) 750円
- 味噌(中) 800円
店舗情報
店名 | 豚菜館 |
---|---|
TEL | 0743-64-2983 |
住所 | 奈良県天理市二階堂上ノ庄町24-6 |
アクセス | 近鉄二階堂駅より徒歩約5分 |
営業時間 | 11:15~15:00 18:00〜20:00 |
定休日 | 日曜日 月曜日 |
駐車場 | あり |
写真と文/林岳史
林岳史(はやしたけし)
ラーメン王子TAR-KUN(たーくん)として知られる林さんは1991年生まれ、宇陀市在住・在勤。19歳からラーメンの食べ歩きを始め、24歳で全国47都道府県のラーメンを制覇。ピーク時には年間550軒、今も年間200~300軒は食べ歩きます。その様子はNHK総合テレビ「ぐるっと関西おひるまえ」でも紹介されました。
ブログ「麺バカ TAR-KUN~全国制覇の野望~麺伝説」
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