豚珍館
五條市
掲載日:2020年1月16日
自家製麺にとろみのある野菜餡がよく絡む名物ちゃんぽん
五條市で地元民から絶大な人気を誇る、この寒い季節にピッタリの一杯をご紹介したい。
ラーメン屋が少ない五條市で、私が過去に訪れて『おっ?』と感じさせてくれたのは、地元で人気の中華料理屋で頂けるちゃんぽん。
ちゃんぽんは「さまざまな物を混ぜること、また混ぜたもの」を意味する言葉であり、日本全国に個性豊かなちゃんぽんが存在する。
一般的にイメージされやすいのは長崎ちゃんぽんではないだろうか?
今回ご紹介する『豚珍館』のちゃんぽんは、たっぷりの具材が熱々の餡と一体となった名物メニューだ。
まず、提供されて驚くのが器の大きさ!
洗面器ほどもある大きな丼から湯気が立ち込め、果たして食べきれるだろうか?と頭をよぎるほど。
このボリュームには、『食べた人の“器”が大きくなって大成し、たくさんの人を店に連れてきてくれますように』という思いが込められているそう。
トロミのあるスープは、ヒネ鶏と豚骨を10時間ほど煮込んだ動物系のスープを軸に醤油ダレで味を整えてある。
熱々で猫舌泣かせではあるが、クドさやしつこさがなくて食べやすく、体の芯から温まるホッコリとした味わいだ。
麺は自家製の中細麺を少し柔らかめの茹で加減で使っており、とろりとした野菜餡がよく絡んで一体感が楽しめる。
さらに嬉しいのは大盛も同額料金ということ。
この大盤振る舞いのサービスも、地元の常連客をガッチリと掴んでいる要因の一つだろう。
デラックスを選ぶとレアチャーシューがトッピングされるが、このレアチャーシューは町の中華屋で提供されるモノと侮るなかれ、ラーメン専門店顔負けのクオリティー。
臭みを上手く取り除き、肉の旨味をしっかりと引き出されていて、優しい味わいのちゃんぽんをグレードアップしてくれる。
キャベツやモヤシ、ニンジンや玉葱等のたっぷりな野菜達の食感も楽しく、トロトロの半熟卵も満足感を引き上げている。
“昔ながら”の名に驕らず技巧を凝らしたメニューが続々と登場!
約15年前から先代に教わりながら修業を積み、店を受け継いだ山口店主。
ちゃんぽんはその先代が考案されたメニューで、40年もの間お客さんに愛され続けている。
山口店主は更にラーメン学校へ入って一からラーメンの事を学び直し、スープの組み立てから製麺までひと通りの技術を習得したのだそう。
そこで学んだ知識を織り交ぜてメニューの改良を重ねつつ、先代からの教えをしっかりと調理や営業に生かしている。
意欲的に新しいメニューにもチャレンジしており、取材時に食指が動いた数量限定メニューが「麻婆まぜそば」である。
コチラは以前から人気の「麻婆丼」を食べた常連客・中田昭一氏(奈良を中心に食べ歩きをされているインスタグラマー)の提案から生まれた一杯。
単純に麻婆豆腐を麺に乗せただけではなく、魚介のオイルや魚粉などを加えることで味に深みを持たせ、ちゃんぽんとはまた違ったテイストの麺を特製。
香ばしく炙った角切りチャーシューもゴロゴロと入っていて、まぜそばとしての完成度が高い。
ほかにも、今では幻となってしまった『橿原スタミナラーメン』の「スタミナやきそば」をオマージュしたメニューが発売されたばかり。
訪れるたびに名物が増えて注文に悩んでしまう、とても魅力的な中華料理屋だ。
人気メニュー
- ちゃんぽんデラックス 990円
- 麻婆まぜそば 770円
- スタミナ焼きラーメン 770円
店舗情報
店名 | 中華料理 豚珍館 |
---|---|
TEL | 0747-22-1818 |
住所 | 奈良県五條市野原西2-9-35 |
アクセス | JR五条駅から徒歩約15分 |
営業時間 | 11:00~14:30(売り切れ次第) |
定休日 | 金曜日 |
駐車場 | 駐車場あり |
写真と文/林岳史
林岳史(はやしたけし)
ラーメン王子TAR-KUN(たーくん)として知られる林さんは1991年生まれ、宇陀市在住・在勤。19歳からラーメンの食べ歩きを始め、24歳で全国47都道府県のラーメンを制覇。ピーク時には年間550軒、今も年間200~300軒は食べ歩きます。その様子はNHK総合テレビ「ぐるっと関西おひるまえ」でも紹介されました。
ブログ「麺バカ TAR-KUN~全国制覇の野望~麺伝説」
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