鈴庵
河合町
掲載日：2019年12月25日
魚介の豊かな香りと濃い旨味が効いた一杯はここならでは！
11月11日、期待のラーメン店『鈴庵』が河合町に誕生した。
この名前を聞いてピンと来た方もいるのではないだろうか？
広陵町の人気うどん店『釜揚げうどん 鈴庵』が手掛けるラーメン屋なのだ。
同日掲載（12月25日）の記事でうどん屋のラーメン屋リスペクトのつけ麺（満点うどん カジバノバカヂカラ）を紹介したが、今回は“うどん屋が本気で挑むラーメン屋”を紹介したい。
まだオープン間もないが、現在のメニューは３種類。
鶏からとった清湯（チンタン）スープにうどん屋ならではの和出汁を加えた「らーめん」、鈴庵自慢の天ぷらをトッピングした「天中華」。
そして一日10食のみ提供される、鶏100％のスープを使った「限定らーめん」だ。
今回注文したのは、一番ベーシックな鶏×和出汁の「らーめん」。
テーブルへ運ばれて来ると早速魚介の香りが立ち込め、食欲を刺激される。
圧力寸胴で炊き込まれた鶏のスープは、本来であれば圧力をかけて短時間で仕上げるものだが、同店ではあえて圧力をかけず17時間かけて鶏の旨味をぐっと引き出している。
その鶏スープに合わせる和出汁は、利尻昆布やウルメ、伊吹イリコなどから取った香り豊かで濃い出汁。
うどんよりも更に濃い出汁をとって鶏の旨味に負けぬ存在感を目指しているそうで、素材本来の旨さが引き立っている。
やはり長年うどん屋として培ってきた魚介出汁の引き方が抜群に光っている。
ほんのりと甘くコクのある醤油ダレも少し強めに合わせているが、それ以上に口に含んでから飲み込んだあとの余韻までじんわりと続く魚介感が、この店ならではのテイストを演出する。
柚子の爽やかな風味もアクセントとなって、後を引く味わいだ。
麺は国産小麦やオーストラリアの小麦、更にカナダの強力粉を独自に配合した自家製麺。
ツルッとした質感とスープを持ち上げる麺を意識していて、のど越しの良い表面と歯を押し返すようなモッチリとしたコシが見事。
トッピングには、美しいピンク色をした豚のレアチャーシューに、トロトロの半熟具合がたまらない味玉、そして隠し包丁を入れた名脇役の極太メンマがそれぞれ良い仕事をしてくれる。
店主のチャレンジ精神が奈良に新たなブームを巻き起こす⁉
2009年にオープンし、今や奈良を代表する行列うどん屋として知られる『釜揚げうどん 鈴庵』。
私自身も常連としてよく通っていた店だが、そんな名店がなぜラーメン業界へ参入したのか？
店主である水月さんに尋ねてみると、「同じ地域で新たなお客さまづくりを目指して、新しいジャンルに挑戦したかった」とのこと。
日頃からさまざまな飲食店を食べ歩いていて、創作系のうどんメニューを次々と考案。
また、奈良の絶対的王者『麺屋NOROMA』や兵庫県揖保郡太子町の名店として知られる『麦右衛門』といったラーメン屋とのコラボも積極的に行ってきた。
今回の挑戦にはそういった知識や技術が集結されている。
『釜揚げうどん 鈴庵』の売りの一つである天ぷらをトッピングした「天中華」も食べてほしいが、私がさらにおすすめしたいのがサイドメニューの「とり天」。
ふわりと柔らかく絶妙な下味の鶏肉がサクサクの衣に包まれていて、本店でもファンが多く、同店でもすでにリピーター続出という逸品だ。
「もっともっと美味しいラーメンになるよう、またお客さまに愛される店になるよう、スタッフが一体となって努めたい」と意気込む店主。
ラーメン屋としての鈴庵はまだ走り始めたばかり。これからの動向に注目したい。
人気メニュー
- らーめん(鶏のスープと和だしのWスープ) 750円
- 天中華 950円
- らーめん(鶏100％) 750円
- とり天1個 120円
店舗情報
| 店名 | 鈴庵 |
|---|---|
| TEL | 非公開 |
| 住所 | 奈良県北葛城郡河合町薬井409 |
| アクセス | 大輪田駅から徒歩約10分 |
| 営業時間 | 18:00～21:30 |
| 定休日 | 木曜日、土曜日、日曜日 |
| 駐車場 | 駐車場あり |
写真と文／林岳史
林岳史（はやしたけし）
ラーメン王子TAR-KUN（たーくん）として知られる林さんは1991年生まれ、宇陀市在住・在勤。19歳からラーメンの食べ歩きを始め、24歳で全国47都道府県のラーメンを制覇。ピーク時には年間550軒、今も年間200～300軒は食べ歩きます。その様子はNHK総合テレビ「ぐるっと関西おひるまえ」でも紹介されました。
ブログ「麺バカ TAR-KUN～全国制覇の野望～麺伝説」
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