ええフォト!なら【ゆる~く狛犬たずね歩き編】
待ちに待った行楽シーズン、イベント盛りだくさんの10月。
…ですが、人とちょっと違うことをやってみたい方もいるのでは?
そこで、県内各地の社寺の境内にいらっしゃる狛犬を12回にわたってご紹介。
造形のかわいらしさ、一風変わった表情で気持ちをなごませてくれるものから、石工の魂が込められた傑作まで、とっても個性豊か。
ワンだふるな狛犬の世界を感じてみてください。
一度お会いしたら忘れられません 八幡神社(大和郡山市観音寺町)
2017年10月30日掲載
大和郡山市観音寺町の八幡神社にいらっしゃる狛犬さんは、
一度見たら忘れられなくなるような、とってもユニークな出で立ち。
頭のてっぺんには、よ~く見るとツノが生えています。
胸を張って得意げなようすが、どことなく人間っぽいような…。
他に類をみない個性的な狛犬さんです。
ちなみに、この対になる阿形像は、
ストレートヘアーがそれは見事な狛犬さんです。
かわいさナンバーワン? 奈良豆比古神社(奈良市奈良阪町)
2017年10月27日掲載
国の重要無形民俗文化財「翁舞」で知られる奈良豆比古神社。
「翁舞」が奉納される舞台と社殿の間に、
とびきりかわいらしい狛犬さんが侍坐しています。
ちょっと垂れぎみの耳、まるいお目目、満面の笑顔。
尻尾をふって喜んでいる瞬間を彫り出したよう。
サイズも40cmと小さく、狛犬というより、小型犬のような風貌。
かわいさに参拝者もメロメロです!
瓦でできた狛犬さん 八幡神社・元石清水八幡宮(奈良市東九条町)
2017年10月25日掲載
大同2年(807)に大安寺の鎮守として創始した古社、八幡神社(元石清水八幡宮)。
ここに、なんと瓦で作られた狛犬さんがいらっしゃいます。
延宝8年(1680)に瓦職人が奉納したそうです。
像高70cmですから、焼くのも運んでくるのもひと苦労だったでしょう。
狛犬さんの周りには、八幡神の使いである鳩の人形も多々奉納されています。
ちなみに本殿は重要文化財。狛犬と神使がずらりと並ぶさまが壮観です!
佐吉の狛犬その4 佐吉晩年の一作 神岳神社(斑鳩町神南)
2017年10月23日掲載
第7回で紹介した佐吉の狛犬よりも、筋肉のハリが感じられません。
表情もどこか老成し、遠くを見つめているようです。
これを彫った当時の佐吉は48歳、体は病に侵されていました。
狛犬には、作り手の精神や肉体が反映されるのです。
この狛犬から3年後の慶応2年(1866)、
故郷で最後の作品を彫り上げた後、佐吉は姿を消します。
しかし、佐吉の数々の石造物は、いまに生きる我々を魅了し続けています。
佐吉の狛犬その3 うるうるおめめがSO CUTE 春日神社(広陵町沢)
2017年10月20日掲載
まるで生きているかの躍動感や、渋い表情からでしょうか。
「カッコイイ」と表現されることが多い佐吉の狛犬。
ところが広陵町沢にある春日神社の狛犬は、
憂いを帯びた瞳や、わずかにはにかんだ表情がとってもキュート。
思わず頭をナデナデしてあげたくなってしまいます。
しかし、狛犬の役目は仁王像と同じく、神仏のおわす聖域を護ること。
撫でたり触ったりは許可を得てからにしましょう。
佐吉の狛犬その2 脂の乗った壮年時代 素戔嗚神社(斑鳩町興留東)
2017年10月18日掲載
見てください! この筋骨隆々とした、引き締まった肉体!
一体どんなジムに通えばこんなボディを手に入れられるのか?
こちらは名匠・丹波の佐吉が41歳(1857)のときの作品。
若い時代における最高傑作という専門家の声も。
ところで、狛犬の製作者である石工や、製作年代を見分けるには、
台座に刻まれた銘を見ることが1つポイントに上げられます。
参考にしてみてください♪
名人「丹波の佐吉」の狛犬その1 平井八王子神社(宇陀市菟田野平井)
2017年10月16日掲載
江戸末期、世にその名を知らしめた1人の石工がいました。
「丹波の佐吉」です。
卓越した技術力で、後世に傑作と謳われる石造物をいくつも残しています。
時の孝明天皇に献上された音の出る石の尺八は、「日本一」の讃辞を得たとも。
狛犬も多く手がけ、奈良にもたくさん残っています。
現存するなかで佐吉最初の狛犬が宇陀市の八王子神社のもの。
他の狛犬と一線を画するリアルさを感じませんか?
えっ、これが狛犬? 狛犬なんです 春日神社(奈良市針町)
2017年10月13日掲載
一般にイメージする狛犬とあまりにも違っている…
戸惑われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、
手前が前足、てっぺんの凹凸している部分がお顔です。
顔が上向きだとわかると、なんとな~く鼻や口も見分けられるような?
尻尾やたてがみもお持ちなんですよ。
プリミティブな造形に心惹かれる逸品です。
センス抜群な子連れ狛犬だワン 春日神社(高取町佐田)
2017年10月11日掲載
キリッと端正な表情、繊細な彫刻があしらわれた州浜、猫足の台。
職人の細やかな仕事ぶりがうかがえる見事な狛犬です。
しかし一番の見どころは、台のカド!
玉に乗ったミニ狛犬…子獅子(こじし)がいるのがおわかりになるでしょうか。
写真の吽形は子獅子を連れていますが、対になる阿形には子獅子はいません。
左右非対称な構図にも石工のセンスが光ります。
癒されたいなら断然! 十二柱神社摂社 武烈天皇社(桜井市出雲)
2017年10月6日掲載
木彫りでなんともいえない味わいのある狛犬さん。
十二柱神社の境内摂社、武烈天皇社にいらっしゃいます。
てのひらサイズとはいえ、耳やキバ、たてがみもしっかり表現されています。
自信あふれる表情と立ち姿も見どころ。
十二柱神社参道の石段上にいる狛犬さんも一見の価値アリ。
州浜(狛犬が乗る台の部分)を4人の石のお相撲さん人形が支えるという珍しいタイプなんです。
奈良最古の参道狛犬! 信貴山朝護孫子寺(平群町信貴山)
2017年10月4日掲載
狛犬がいるのは神社だけじゃない!
お寺でも狛犬と出会えます。
こちらは、寅にゆかりのあるお寺、信貴山朝護孫子寺参道の狛犬。
狛犬には大きく分けて2種類います。
宮中や神殿内にいる「陣内狛犬」と、鳥居前などにいる「参道狛犬」です。
参道狛犬が一般的になったのは江戸時代なってから。
奈良でもっとも古い参道狛犬が、この狛犬さんだったりします。
ゆる狛犬筆頭?ファン多数! 鎮宅霊符神社(奈良市陰陽町)
2017年10月2日掲載
奈良のゆる~い狛犬といえば!
ならまちは鎮宅霊符神社(ちんたくれいふじんじゃ)の狛犬さんです。
奈良の狛犬のなかでも、隠れ愛好家が多いこちら。
ピエロのように丸いお鼻、寄り目がちのどんぐりまなこ。
たてがみはくるくる。一目見たら忘れられません。
ユーモラスなお顔立ちで、今日も参拝者を魅了します。