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天理で感じる、秋の実りと歴史風景

更新日:2022年10月20日

心地よい風が吹き、晴れた空に照葉がキレイに色づきだす秋。モミジやカエデの真っ赤な秋も素敵ですが、黄色いイチョウの葉にも秋らしさを感じます。今回訪れるのはイチョウが市の木に指定されている天理市。古墳などの史跡や山の辺の道など古代ロマンのイメージが大きい町ですが、実は奈良県内でもトップクラスの農作物の生産地で、稲作をはじめ、有名なイチゴや柿、その他果物や葉野菜など多くの作物が生産され農業が営まれています。旬の味覚を求め、どこか異世界感のある街並みや里山の自然風景と古の歴史文化を感じられる天理を、秋風にふかれながら気の向くままに旅してみましょう。

目次

旅ならココから「なら歴史芸術文化村」

おいしいヘルシー♡ 農家カフェで秋の味覚を満喫

御神鶏(ごしんけい)鳴く日本最古の神宮「石上神宮」

旅ならココから「なら歴史芸術文化村」

旅のスタートは「なら歴史芸術文化村」から! ここは、2022年3月にオープンした、奈良県で16番目の道の駅で歴史文化施設でもあります。敷地内に「文化財修復・展示棟」「交流にぎわい棟」「情報発信棟」などがあり、奈良の歴史や文化について、様々な角度から触れることができます。また、レンタサイクルを借りることもでき、天理の観光の拠点としてもとっても便利♪

道の駅も気になるけど、やはりここへ来たなら奈良の歴史文化に触れたい! ということで、まずは「文化財修復・展示棟」へGO!

ここでは、「仏像等彫刻」、「絵画・書跡等」、「歴史的建造物」、「考古遺物」の4分野の修復工房を見学できます。その道のプロによる修復作業の様子を間近で見られるなんてとても貴重!ピリッとした緊張感が空間にただよい、ドキドキしてしまいます。

修復作業の見学に続いて「情報発信棟」へ。ここは、旅の情報収集のスペース。県内各地の観光パンフレットや、周辺パネルマップ、道路交通情報がリアルタイムにわかるモニターが設置されていて、とっても便利!観光コンシェルジュもいて、観光スポットやルートを教えてくれますよ。

次に農産物直売所とレストラン、伝統工芸スペースのある「交流にぎわい棟」へ。吉野杉の木工品や奈良墨、高山茶筌など奈良の伝統工芸品が並ぶスペースにかわいい赤膚焼きを発見! お土産に買っちゃおうかな~。

 

女子たるもの、農産直売所も気になる! 広いスペースにはなんと、100種類以上もの奈良県産野菜やフルーツが並んでいます。柿の葉寿司や奈良漬の他、奈良のお土産が勢ぞろいしていて、目移り必死!! でもまずはさっき見たレンタサイクルで、コンシェルジュおすすめの秋の天理をめぐってみようかな。お土産は先に気になるものをチェックして、最後に買って帰ることにしましょう。

おいしいヘルシー♡ 農家カフェで秋の味覚を満喫

さっそく、文化村のサイクルステーションで借りた自転車に乗って出発しましょう♪ まずはランチにレッツゴー!

自転車で5分ほどのところにある古民家風の小さなカフェにやってきました。地元で農家を営み、そこでとれた旬の食材を使ったメニューを提供する「農家カフェ けやき」です。

さっそく店内奥のテラス席で、季節のランチをいただきましょう。

この日のメニューは、そうめんかぼちゃやバターナッツかぼちゃなどを使用した、秋を感じるメニュー。彩もよくて食欲をそそる~♪ 種類豊富なおかずには空心菜や金時草、モロヘイヤなど緑の野菜がふんだんに! お米は奈良県の伝統食材“黒米”と、女子にはうれしいヘルシーランチ。 栗が採れる時期には栗ご飯も提供されるそうですよ。

おかずの中に、気になる野菜を発見! これはオクラの一種で「ダビデの星」というのだそう。普段なじみのあるオクラより薄い色味で、少しぽてっとした形。なんだか名前も見た目もかわいい~♡ オクラ特有の青くささが少なく、食感はもったりとした粘り気。 マリネやお味噌汁の具に使用されていて、とってもおいしい!

けやきのランチは野菜がたっぷりで健康的! 夏から残った身体の疲れもス~っと吹き飛んでいく感じがしました。 店内では、畑でとれた野菜や果物も販売されていましたよ♪

御神鶏鳴く日本最古の神宮「石上神宮」

さて、続いて訪れるのは天理の名所、日本最古の神宮のひとつといわれる「石上神宮」です。物部氏の総氏神として知られ、「古事記」や「日本書紀」にも「石上神宮・石上振神宮(いそのかみふるじんぐう)」と記述があるほど古くからこの地に鎮座しています。こちらの主祭神のひとつ「布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)」は、「剣」がご神体であり、それに宿る神様としてお祀りされています。いったいどんな神社なのでしょうか?

歌意:『乙女が袖を振る、そのふると名も同じ布留山(ふるやま)の古くより神様をまつる瑞垣のように、長い間あの人のことを思ってきた、わたしは』(柿本人麻呂「万葉集」巻第4~501番)

緑の木々に囲まれた入り口に大鳥居があります。その横に、大きな万葉歌碑を見つけました。読み手は歌聖といわれる柿本人麻呂。「乙女の振る袖」と、ここにある「布留山」をかけた歌ですが、遠い時代に歌われた乙女の恋心に思わずキュンとしちゃいます♡
奈良から桜井に続く最古の道「山の辺の道」には、この他にも天理にゆかりのある偉人たちの歌碑がたくさん建てられているそうですよ。

さっそく大鳥居を抜けて、境内に入ると…空気がガラッと変わり、まるで別世界。神聖な雰囲気がただよいます。

境内には御神鶏といわれる鶏たちが、元気いっぱい声高に鳴いています。鶏は朝日を告げる動物として縁起が良く、天照大神(アマテラスオオミカミ)の使いといわれ、神聖視されてきました。ここでは、平成に入ってから飼うようになり、現在では60~70羽ほどが境内で自由に過ごし、石上神宮を代表する人気者になっています♪

境内にある建物は、令和の記念事業として、ここしばらく改修工事を行っていましたが、それもようやく終わり、拝殿や楼門が美しい姿で参拝者を迎えてくれます。

朱色の柱と白い漆喰が美しい楼門は鎌倉時代末期の建物で、国の重要文化財に指定されています。荘厳な姿はまさに圧巻。屋根も葺き替えられ、塗りもきれいになりましたが、重厚な建物から、その歴史の深さが感じられます。楼門をくぐると、正面にあるのが拝殿。永保元年(1081)に白河天皇がこの神宮の鎮魂祭のために宮中の神嘉殿(しんかでん)を移築した、国内最古にして最大の建物として国宝に指定されています。御祈祷や祭典が行われるほか、神前結婚式も行っており、新たな門出を御神鶏の声とともに祝福してくれます。
こんな立派なお社で、白無垢姿での結婚式…想像するだけでロマンチックですよね♡

神宮の見どころはほかにも。境内の奥にある「大イチョウ」と呼ばれる大きなイチョウの木。樹齢は約300年といわれ、その高さは30mと、とても大きな木です。やや高地に位置するため、JR天理駅のホームからも見えるほど! 常緑樹に囲まれ、輝くように黄葉する姿は神々しさをも感じさせてくれます。

最後は、神宮を出て、天理駅方面へ自転車を走らせましょう♪ 駅前から続く商店街「天理本通り」に並行する国道25号線は「親里大路」と呼ばれ、天理の主要な道路でもあります。

ここに約700m続くイチョウ並木があります。天理の市の木イチョウは、市内に多く植えられていますが、その中でも抜群の黄葉スポットが、この親里大路のイチョウ並木です。天理教本部と向かいにある天理大学を繋いでいる歩道橋からは壮大な黄葉景色が見られます。
まだ少し緑が残り、黄色に染まっていく様子が鮮やかなグラデーションに。ズラリと一直線に並ぶイチョウの木々はキラキラと輝き、並木を走り抜けるバイクや自転車もさわやかな風を受けて気持ちよさそ~♪

全体に黄色く色づき、見ごろを迎えるのは11月中旬から下旬。さらに秋が深まると地面は落ち葉で黄色い絨毯のようになるそうです。
吸い込まれそうな黄色い景色に癒されたら、また自転車に乗って、文化村へ帰りましょう。チェックしておいたお土産を買いに行かなくっちゃ♪
秋の天理旅は、まだまだ楽しみがいっぱいです。

文化の秋・食欲の秋・行楽の秋と、天理には様々な秋の楽しみ方がありました。
さらに足を延ばして山の辺の道をたどるもよし。オシャレなお店やおいしいお店を探して駅の周辺をめぐるもよし。歴史や文化をもっともっと体験してみるのもいいかも…。楽しみ方は無限に広がります!
ぜひ、天理で自分らしい色の秋旅を満喫してみてください♪

<おすすめコース>

おすすめコース

Start

天理駅

 シャトルバス 約10分

「なら歴史芸術文化村」

サイクルステーション

レンタサイクルは1日500円で、9:00~17:00(16:30まで受付)の間、利用できます。空気入れやシャワー室も有り。

  
交流にぎわい棟

伝統工芸品や地元食材など、お土産の購入ができるほか、2階の多目的室では、市場で購入したお弁当を食べることもできます。

→スポットの詳細DATAはコチラ

自転車 約5分

「農家カフェけやき」


「季節のタルト」(ドリンクセット:980円)
甘くてみずみずしい白イチジクのタルトと、月ヶ瀬和紅茶。


グリーンのカーテンがかかるテラス席。
柔らかい日差しが入り込み、落ち着いた雰囲気♪

畑でとれた新鮮な地元野菜を使ったランチや、季節の果物を使ったデザートなどを提供するお店。メニューの内容は旬の食材によって変わり、季節を感じられるものになっています。

→スポットの詳細DATAはコチラ

自転車 約3分

「石上神宮」


鮮やかな朱色が目をひく楼門

拝殿の奥は禁足地。明治時代の発掘調査で御祭神をはじめ、多数の玉や剣などが出土し、その後、御祭神を祀る本殿が建てられたそうです。

 

社務所の屋根には新しく設置された「うさぎ」の瓦を発見! 鶏がいっぱいの神社なのにうさぎの瓦? 実はうさぎは同宮との縁が深く、神様がこの地に鎮まったのが卯の日といわれており、神様の使いといわれているそうです。

可愛い鶏のおみくじが大人気ですよ♡

→スポットの詳細DATAはコチラ

自転車 約5分

「イチョウ並木」

天理市のシンボルであるイチョウ並木。秋が深まるごとに黄色味が増し、まるでイチョウのトンネルのように。夏はさわやかな緑が美しく、秋にかけて黄色く色づき、グラデーションがかった姿も見ごたえありです。

→スポットの詳細DATAはコチラ

自転車 約5~10分

「なら歴史芸術文化村」

Goal

<なら歴史芸術文化村 DATA>

TEL 0743-86-4420
住所 天理市杣之内町437-3
アクセス JR・近鉄「天理駅」から直行デマンドシャトル、または奈良交通バス「勾田」下車、徒歩15分
開館時間 9:00~17:00(情報発信棟内トイレは24時間利用可能)
休館日 月曜日(交流にぎわい棟は月曜も営業)

<農家カフェ けやき DATA>

TEL 090-3485-0709
住所 天理市杣之内町123-1
アクセス JR・近鉄「天理駅」から奈良交通バス「天理市庁前」下車、徒歩16分
開園時間 10:30~16:00
定休日 火・水曜日

<石上神宮 DATA>

TEL 0743-62-0900
住所 天理市布留町384
アクセス JR・近鉄「天理駅」からタクシー約10分、または徒歩30分

<イチョウ並木 DATA>

TEL 0743-63-1242(天理市産業振興館)
住所 天理市三島町
アクセス JR・近鉄「天理駅」から徒歩15分

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