TSUJIMURA&cafe kiton（つじむら＆かふぇ きーとん）

掲載日：2021年4月19日

吉野杉のぬくもりが伝わるモダンな空間

修験道の総本山「金峯山寺（きんぷせんじ）」から徒歩約7分。歴史を感じさせる店舗が軒を連ねる参道沿いに、ひときわ目立つおしゃれなカフェがある。店名は「TSUJIMURA&café kiton」。吉野名産の本葛を使った干菓子とスイーツを中心に、奈良の”ものづくり”を発信する専門店だ。ショーウインドーには、イラストレーター森ひろ子さんによる幅4m、高さ2mの巨大な版画が展示され、かわいい動物のイラストが道ゆく人々の目を楽しませてくれる。店内は、オリジナルブランド「TSUJIMURA」などを販売するコーナーとカフェスペースが半々。吉野杉の角材をルーバーのようにデザインした内装が印象的で、木の温もりが伝わる居心地のいい空間が広がっている。内装の大部分はオーナーの辻村佳則さんご夫妻らの手作り。オリジナル商品のパッケージデザインも含め、そのセンスの良さには脱帽だ。吉野本葛のシンプルで上質な味わいを伝えるのにふさわしい穏やかな時間と空間がそこには存在している。

プルプルでモチモチ食感の葛きりにほっこり

「TSUJIMURA」で味わえる自慢のオリジナル葛菓子は、吉野名産の本葛を使い、伝統製法で作られたもの。漢方薬で有名な「葛根湯」でも使われている葛の根から採ったでんぷん粉だけを原材料にしているのが特徴だ。三代目の辻村さんは、母親から受け継いだ葛菓子への思いを大切にしながらも、現代の価値観と暮らしにあった葛菓子を開発。本葛に古希、和三盆、本和香、黒糖、上赤糖の5種類の砂糖をあわせた自然な彩りの干菓子は、なめらかな口溶けと風味の違いを味わえる。カフェスペースでいただける出来立ての葛きりや葛もちは、透き通るような透明感があり、なめらかでモチモチした食感と素朴な味わいに心までほっこり癒されるよう。葛もち入りのかき氷やぜんざいなど季節ごとのスイーツ、土日祝限定のランチも好評だ。

私が作っています

奈良のものづくりブランドもセレクト

内装に多く使われている吉野杉の木材は、所々に節のある表情豊かなものをあえて選んでいる。それらをつなぎ留めるために奈良のすぐお隣、東大阪の金属メーカーとコラボすることで、丁寧なものづくりをモットーとするオリジナルブランドの世界観を表現した。アートが飾られた店内には、自社のオリジナル商品のほか、カフェでも使っている丹波篠山の立杭焼や、奈良に本社がある垣本鉄工所、杉田靴下、大和茶製造のTEAM-Tなど地元産の工芸品や小物雑貨もセレクトして販売。奈良土産になりそうなこだわりの逸品が揃っている。「奈良を中心に、思いを持ってものづくりしている作家さんやブランドを紹介していきたい」と辻村さん。「だしの取り方教室」など不定期でイベントやワークショップを開催しているので、吉野探索のついでに新たな体験にも挑戦してみたい。

TSUJIMURA&cafe kiton（つじむら＆かふぇ きーとん） DATA

TEL	0746-32-3032
住所	吉野郡吉野町吉野山950
ホームページ	https://tsujimura-yoshino.com/
アクセス	吉野ロープウェイ吉野山駅から徒歩約15分
営業時間	10:30～16:00
定休日	火、水曜
駐車場	10台
おすすめ利用シーン	家族、友人、ランチ、カフェ、デート
その他