心ほどける鉄道旅へ。「万葉まほろば線」でレトロ駅舎めぐり
更新日:2020年11月2日
単線の電車に乗って、過ぎゆく車窓の景色をのんびり眺めたり、気になる駅でふらっと途中下車してみたり。
鉄道好きな女子でなくても“非日常感”に浸れるのが、ローカル線の旅のいいところです。
奈良の人気ローカル線といえば、緑豊かな奈良盆地をぐるりと半周する「万葉まほろば線」。
さわやかな秋風の中、レトロな佇まいが郷愁をさそう駅舎や、車窓の美しい田園風景に癒されながら、万葉まほろば線の旅を楽しみませんか。
目次
・フォトスポットめじろ押し! レトロ駅舎が続く「万葉まほろば線」
・「JR奈良駅旧駅舎(奈良市総合観光案内所)」
・「JR京終(きょうばて)駅」
・「JR櫟本(いちのもと)駅」
・「JR畝傍(うねび)駅」
・「京終駅舎カフェ ハテノミドリ」
・「中西ピーナッツ」
・「柳本駅 観光交流センター 駅中食堂 ピクトン」
フォトスポットめじろ押し! レトロ駅舎が続く「万葉まほろば線」
このところめっきり冷え込んで、秋がぐっと深まってきました。
連休の多い秋は、絶好のおでかけシーズン。さて、今年はどこに出かけましょうか。
ところで最近、日本各地でじわじわと増えているのが鉄道好き女子、いわゆる「鉄子」。
電車に乗るのが好きな「乗り鉄」に、写真を撮るのが好きな「撮り鉄」など、男性顔負けのファンも少なくないそうで、奈良でもカメラを片手にした鉄道好き女子の姿をよく見かけます。
いろんな路線がある中で、彼女たちにダントツ人気なのがJRの「万葉まほろば線」。
万葉まほろば線 路線図 路線距離:約30km駅 数:14駅(奈良~高田) |
「万葉まほろば線」は、JR奈良駅(奈良市)からJR高田駅(大和高田市)までを結ぶ、2両編成のローカル鉄道。
奈良を走る路線の中でも、特にレトロな駅舎や難読駅名が多いことで有名です。
今回は万葉まほろば線の“レトロ駅舎”4駅をご案内。気になる駅で途中下車をすれば、ひと味違う奈良の表情が見えてくるかも♡
さて、旅の始まりは古都奈良の玄関口・JR奈良駅から。
いきなり、駅前広場に寺院風のレトロな建物を発見!
この建物は昭和9年(1934)に建てられ、約70年間使われた「JR奈良駅旧駅舎」。
新駅舎に切り替わってからも、文化的価値の高い旧駅舎は解体されず、元々あった場所から今の場所まで、レールと鉄の棒(コロ)を使った「曳家(ひきや)工法」で、そっくりそのまま約18mも移動させたのだとか!
旧駅舎の屋根の上には、五重塔のてっぺんなどによく見られる「九輪(くりん)」の装飾が。
屋根の軒先には、お寺の堂塔でよく見られる鐘形の鈴「風鐸(ふうたく)」が吊るされています。
建築当時の技師が、奈良の寺院の特色ある屋根を参考にしたのだそう。
さて、現在は奈良市総合観光案内所となっている旧駅舎内をのぞいてみましょう。
これは碁盤目状になった天井の、真ん中を一段高く盛り上げた「折上げ格天井(おりあげごうてんじょう)」。
日本の古い建築様式で、とっても格式の高いお部屋にだけ使われる天井なんですって。奈良では東大寺大仏殿にこの天井が使われています。
朱色の柱は平城宮跡にある、第一次大極殿正殿の柱を試作したときのもの。
まるで格式ある寺院にいるような気分になりますね。
壁には「相華文(そうげもん)」といった古代文様のレリーフが。
古都奈良にふさわしいJR奈良駅旧駅舎は、その格式と美しさが印象的。ぜひ押さえておきたいスポットです。
JR奈良駅から「万葉まほろば線」に乗り込み、1つ南側の駅が、沿線屈指の難読駅名「JR京終(きょうばて)駅」。
外観は瓦屋根と板張りで、とってもレトロ♡
明治31年(1898)に建てられた駅舎は、120周年を迎える平成31年(2019)に全面改修されました。
新しいけれど、どこか「ほっ」とできる京終駅のシンボルといえるのが、待合室にある「駅ピアノ」。
誰でも弾いてOKなので、自ら音色を奏でたり、誰かの弾く曲に耳を傾けたりするのも、旅のよい思い出になるかも。
時刻表を見れば、次の電車が来るのは約30分後。
ホームに隣接した駅舎カフェ「ハテノミドリ」でティータイムでもしつつ、のんびりと待ちましょう。
京終駅から2駅南側にあるJR櫟本(いちのもと)駅は、明治31年(1898)に開業した、122年前の木造瓦葺き駅舎がほぼそのまま残る、超~レトロ駅。
古い駅舎内には「明治31年」と書かれた「建物財産票」があちこちに貼られているので、ぜひ探してみて。
奥に見えるのは、向かい合ったホームを結ぶ、鉄骨木造の跨線橋(こせんきょう)です。
また、ホームの土台にもご注目を。
現代の石積みの下に、開業当時の赤いレンガ積みが現役で使われています。
昔の日本にタイムスリップしたような気分になれる櫟本駅。
駅舎好きの鉄道ファンにはたまりませんね!
JR柳本駅を過ぎるころから、両側の車窓には奈良らしい、のどかな田園風景が広がります。
やがて車窓に稜線の美しい大和三山が見えてきたら到着するのが、昭和15年(1940)年の「橿原神宮 紀元2600年祭式典」に合わせて開業したJR畝傍(うねび)駅。
駅から歩いて30分のところには、『古事記』や『日本書紀』で第一代天皇とされる神武天皇の陵墓(畝傍御陵)があります。さらに、神武天皇とその皇后の媛蹈韛五十鈴媛命(ひめたたらいすずひめのみこと)を祀る「橿原神宮」の最寄りのJR駅でもあるなど、実は皇室とのゆかりがとっても深い!
そのため、駅舎内には昭和天皇をはじめ、皇族が畝傍御陵や橿原神宮に参拝する際に使われた専用の貴賓室があり、沿線でも屈指の格式が感じられる駅です。
JR畝傍駅からは、江戸時代に商業で栄え、伝統的な町並みが残る「今井町」もすぐ近く。
ここまで来たならせっかくなので、橿原神宮にお参りがてら今井町に立ち寄ってみるのはいかが?
ご乗車の際には、JR西日本が発行するオトクなきっぷ、「関西1dayパス」(※)などを使うのもおすすめですよ♪
※「関西1dayパス」などJR西日本が発行するオトクなきっぷは、発売時期や使用期間が異なります。詳しくは「JR西日本おでかけネット」で検索してください。
<おすすめコース>
JR奈良駅(旧駅舎)
2019年春から導入された最新車両の227系に乗って出発! 2両編成や、ボタンを押して自分でドアを開け閉めするスタイルがローカル線っぽい♡
227系は、以前にこの路線を走っていた旧車両105・117系と違って揺れが少なく、走行中も静かですご~く快適。窓も大きくて解放感があるし、新型車両だからシートがふかふか~!
車内のトイレもバリアフリーですごくキレイです。
2019年に改修され、開業当時の雰囲気が甦ったJR京終駅。駅ピアノを弾いたり、駅舎内のカフェ「ハテノミドリ」で朝のティータイムを過ごしてみては。
→スポットの詳細DATAはコチラ京終駅舎内に誕生した「京終駅舎カフェ ハテノミドリ」で、おいしいプリンやトーストに舌鼓♪
窓から見える駅ホームを眺めつつ、次の電車が来るまでちょっとのんびりしましょ。
プリン単品350円、カフェオレ単品550円
(いずれも税込。ドリンクセットで50円オフ)
→スポットの詳細DATAはコチラ
櫟本駅で途中下車し、ちょっと足を延ばして天理市が誇る行列店「中西ピーナッツ」へ。販売している豆菓子は、とにかくおいしくて、食べ出したら止まらない~♪
チョココーティングの甘いものから、わさび味などの辛いものまで種類がありすぎて、選ぶのに大苦戦!(笑)写真の小袋は各150円(税別)。
そうそう、女子に人気のメープルナッツアイス300円(税込)も必食です♡
→スポットの詳細DATAはコチラJR櫟本駅から電車10分
なまこ壁風の外観がステキなJR柳本駅。
実はここには、知る人ぞ知る駅舎内レストランがあります! 鉄道ファンは要チェック!!!
柳本駅舎内に2019年4月にオープンした、「観光交流センター 駅中食堂 ピクトン」でランチタイム♡
お料理は天理の人気洋食店「洋食Katsui(カツイ)」の監修で、有頭海老フライなどの揚物5種に、お造り、豚汁などが付いた「南都定食」900円(税込)がおすすめ! お酒もあるので、電車待ちにちょっと一杯もできちゃいます。Wi-Fiも使えるので、のんびりしすぎて「電車に乗り損ねた~!」なんてことのないようにご注意を(笑)。
→スポットの詳細DATAはコチラ食後はまた電車に乗り込み、緑豊かな車窓の景色を楽しみつつ、一路橿原市内へ。
かつては橿原神宮への参拝客でごった返したというJR畝傍駅。ホームと改札をつなぐ階段は3つもあり、当時の賑わいを物語ります。
<JR奈良駅旧駅舎(奈良市総合観光案内所)DATA>
住所 | 奈良市三条本町1082 |
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アクセス | JR奈良駅下車すぐ |
営業時間 | 9:00~21:00 |
定休日 | 無休 |
駐車場 | なし |
<JR京終駅 DATA>
住所 | 奈良市南京終町211 |
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駐車場 | なし |
<京終駅舎カフェ ハテノミドリ DATA>
TEL | 070-1849-1033 |
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住所 | 奈良市南京終町211 JR京終駅舎内 |
アクセス | JR京終駅舎内 |
営業時間 | 11:00~18:00 |
定休日 | 水曜、火曜不定休 |
駐車場 | なし |
<JR櫟本駅 DATA>
住所 | 天理市櫟本町瓦釜1418 |
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駐車場 | なし |
<中西ピーナッツ DATA>
TEL | 0743-65-5400 |
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住所 | 天理市櫟本町2340 |
アクセス | JR櫟本駅から徒歩約8分 |
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 日曜、祝日 |
駐車場 | 30台(無料) |
<JR柳本駅 DATA>
住所 | 天理市柳本町1306 |
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駐車場 | なし |
<柳本駅 観光交流センター 駅中食堂 ピクトン DATA>
TEL | 0743‐68‐5517 |
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住所 | 天理市柳本町1306-1 |
アクセス | JR柳本駅舎内 |
営業時間 | 10:00~15:00 |
定休日 | 月曜、火曜 |
駐車場 | あり |
<JR畝傍駅 DATA>
住所 | 橿原市八木町2-1 |
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駐車場 | なし |
※万葉まほろば線は無人駅が多いため、乗車賃の払い戻しや乗り越し清算に応じられないことがあります。きっぷを購入される場合はご注意ください。
※営業時間などの変更・臨時休業となる場合があります。おでかけの際は公式ホームページ等で事前にご確認ください。