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松尾道 ~矢田丘陵にある松尾寺参詣の道~

掲載日:2013年5月1日

矢田丘陵には舎人親王ゆかりの、日本最古の厄除け寺・松尾寺があります。県立矢田自然公園として整備され多くのハイカーが訪れますが、かつては松尾寺や矢田寺への参詣の道や峠越えの道が通っていました。松尾道は法隆寺から登り、松尾寺の前で大和郡山市山田町からの山田道と合流します。山田道は白石畑地区を通り、平群(へぐり)の谷に降りていきます。かつての参詣のための道は、現代では人々の憩いの道になっています。

法隆寺前~斑鳩神社~松尾寺~松尾山神社~白石畑~長屋王墓~吉備内親王墓~平等寺辻地蔵~道の駅大和路へぐり・くまがしステーション~近鉄竜田川駅(徒歩約3時間30分)

法隆寺前のバス停を降りればもう、法隆寺南大門へ続く松並木が目に入ってきます。松並木の入り口には法隆寺iセンターがあり、斑鳩町の観光の拠点になっています。松尾道の道標が建つのは、法隆寺の西院伽藍と東院伽藍の境にある東大門付近です。この道標に導かれるまま松尾寺を目指します。

まず法隆寺域を過ぎると溜池の堤防が見えてきます。溜池の東側にある神社が斑鳩神社(詳細はこちら)。付近からは法隆寺の五重塔などの伽藍を望むことができます。道は次第に登り坂になっていき、振り返ると奈良盆地は橿原方面を見ることができます。微かに畝傍山や耳成山の山影が望める展望のよいところです。墓地の横を通り抜けると、ゴルフ場が見えてきます。ゴルフ場の手前にある松尾道の道標に従って道を登っていきます。ところどころに道案内をしてくれる丁石が置かれ、小鳥のさえずる声が心地よく、ときおり松尾寺参詣から下って来る人に挨拶を交わしながらすれ違う、時代は変わっても心和む道です。松尾寺の南惣門の手前で大和郡山市山田町からの山田道と合流します。近くには舎人(とねり)親王伏し拝み伝承地があります。

松尾寺は松尾山にあり、舎人親王や役行者(えんのぎょうじゃ)とのゆかりの深い寺です(詳細はこちら)。境内には神霊石の大岩や役行者の聖蹟、たくさんの石仏を見ることができ、春と秋のバラの季節にはお花畑が一般に公開されます。松尾寺からさらに登っていくと展望のよい松尾山神社があり、鳥居からは天理方面の奈良盆地が美しく見えています。神社から下り、松尾寺の三重塔の横の道を登っていくとやがて峠に着きます。峠付近は切り通しになっていて、ここを抜ければ白石畑・平群への道になります。樹の間を抜ける風が心地よい、穏やかなハイキングコースが続きます。山道から自動車道に出てさらに進めば、まるで桃源郷のような白石畑の集落に出合うことができます。

白石畑からは自動車道路を離れ、のどかな山間の道を下っていきます。遠く生駒山も見える道はハイキングコースとなっており、静かな山歩きを楽しめます。山道の途中にも松尾道の道標や石仏が残されています。山道が切れれば、車が多く行き交う国道168号です。この付近は住宅地の波が押し寄せ、すぐ近くにある長屋王墓や吉備内親王墓も家々の中にあります。長屋王墓の前の道は旧道になっていて、南に下れば島左近(しまさこん)の居館があったといわれる平等寺集落の下を通り、椿井・竜田方面に続いていきます。新しい国道168号沿いには「道の駅大和路へぐり・くまがしステーション」があり、地元の野菜やお土産が売られ、多くの人で賑わいます(詳細はこちら)。


法隆寺東大門付近に残る松尾道の道標

斑鳩神社本殿

松尾寺南惣門

松尾山神社からの眺め

松尾寺から白石畑への
峠の切り通し

白石畑に広がる農地

道の駅大和路
へぐり・くまがしステーション
 

島左近と平群

戦国武将・石田三成を補佐したことで名高い島左近は、大和の国の出身で平群の領主だったといわれています。島左近はかつて筒井氏に仕えた武将でした。その居城は平群町にある椿井城(つばいじょう)で、居館を平等寺付近に構えていたといわれています。平群は生駒山と矢田丘陵に挟まれた谷にあり、難波から奈良に向かう交通の要衝でもありました。そして松永久秀の信貴山城(しぎさんじょう)を麓から望むことのできる土地だったのです。松永氏と戦う筒井氏にとって椿井城は重要な城だったことでしょう。

現在、平群町が椿井城の発掘調査を進めていますが、南郭群一帯は見学が可能です。椿井春日神社から登城道がありますが、道は平坦ではないのでトレッキングシューズを履いていくことが必要です。椿井付近からは椿井城とかかれた幟(のぼり)を樹の間から見ることができます。


平等寺にある辻堂地蔵石仏


椿井城の“のぼり”

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