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勝手に奈良検定

第130回 勝手に奈良検定

問題1

この狛犬、奈良県の社寺の参道にある狛犬としては一番古いものです。さて、いったいどこの狛犬でしょうか。

1.狭井神社(桜井市)
2.三島神社(天理市)
3.宇太水分神社(宇陀市)
4.信貴山朝護孫子寺(平群町)

第130回 勝手に奈良検定

正解

正解は、4の「信貴山朝護孫子寺」。

狛犬は、社寺の参道や拝殿などの陣内にあって、外からやってくる魔を追い払ういわば〝番犬〟のような役割を果たしています。稲荷神社の狐や菅原天満宮の牛、八幡神社の鳩は、一見同じように見えますが、これは神の聖獣、お使いで、狛犬とは少し役割が異なります。日本の狛犬は基本的には「獅子・狛犬」といわれ、オリエントにも見られるライオン信仰の流れを汲む「獅子」と、平安時代に日本で独自に創造された角のある「狛犬」とが一対で、あわせて「狛犬」と呼ばれています。そのスタイルはさまざま。大阪を中心に関西一帯で見られるもの、出雲から秋田まで日本海沿岸で見られるもの、あるいは関東平野一円で見られるものと、スタイルも様々です。奈良県で見られる狛犬は、大阪で見られるものがほとんどです。

信貴山朝護孫子寺の狛犬は、本堂下の石段の手前に座っています。なんとも愛嬌のある顔つきですね。宝暦8年(1758)に造られました。狛犬が参道に置かれるようになったのは、江戸時代に入ってからです。県内で一番小さいのは桜井市の狭井神社の狛犬(2016年までの調査現在)、反対に一番大きいのは三島神社の狛犬です。宇太水分神社の狛犬は「丹波の佐吉」と呼ばれる幕末の名工の狛犬。ワニのようにもゴジラのようにも見えるかみ合わせと、平たい顔が特徴で、一度見ればどこかで会っても見当がつく顔をしています。奈良県には佐吉の狛犬が特に多く、三宅町の杵築神社や東吉野村の丹生川上神社、橿原市の久米御縣神社など16社に見ることができます。今年の初詣、いつもは脇役の狛犬に、ちょっと目をやってみてはいかがですか。

問題2

今年の干支は酉。次に並ぶ社寺や遺跡で、ひとつだけニワトリはじめその他の鳥にまったくゆかりのない場所があります。さて、どれはどれでしょう。

1.青蓮寺(宇陀市)
2.巣山古墳(広陵町)
3.箸墓古墳(桜井市)
4.元石清水八幡宮(奈良市)

正解

正解は、3の「箸墓古墳」。

古代、人々は鳥は聖なる動物と考えていました。たとえば古墳に置かれる家や武具などをかたどった形象埴輪は、その権力を象徴するものですが、鳥型の埴輪は死者の魂を来世に運ぶと考えられ、精神性の高い性格のものと考えられています。選択肢の2番の「巣山古墳」は、4世紀末~5世紀初めの古墳で、ここからは鳥をかたどった埴輪が出土しています。またそのほか鳥型の木製品などを出土している古墳もたくさんあります。しかし同じ古墳でも、箸墓からは形象埴輪は出土していません。日本の古墳時代の始まりとされる箸墓は、3世紀末の古墳であり、この段階では形象埴輪はまだ見られず、円筒埴輪や壺型埴輪などの埴輪に限られているからです。

1の青蓮寺(せいれんじ)は、ただしくは「日張山青蓮寺」。継母にいじめられ、この地に身を潜めて生活し、のちに當麻寺の本尊である「蓮糸曼荼羅」を織り上げたと伝える中将姫伝説ゆかりの寺です。中将姫の美しい心が描かれた伝説は、能楽の「雲雀山(ひばりやま)」として知られ、人気の高い演目です。また4の元石清水八幡宮は、名前から推察されるように、境内には八幡神の使いである鳩の人形が所狭しと奉納されています。県内にはほかに、境内にニワトリが遊ぶ天理足の石上神宮や、神武天皇を熊野から大和へ導いたことで知られる八咫烏(やたがらす)を祀った宇陀市の八咫烏神社など、鳥にゆかりの地が数多く残されています。

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