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勝手に奈良検定

第72回 勝手に奈良検定

問題1

写真はあるお寺の修二会(しゅにえ)のようすです。さて、どこのお寺でしょうか。

第72回 勝手に奈良検定

正解

正解は、新薬師寺。

奈良市の新薬師寺の修二会は、奈良県内で行われる最後の修二会で、毎年4月8日に厳修されます。「修二会」はもともと旧暦2月に勤められる法会(ほうえ)でした。現在では各寺によってさまざまで、2月1日~3日の法隆寺西円堂、3月1日~14日の東大寺二月堂、3月30日~4月5日の薬師寺などが知られます。

新薬師寺の修二会が行われる4月8日は、釈迦の誕生日を祝う潅仏会(花祭り)です。たとえば奈良市内では東大寺、興福寺、浄教寺などで法要が行われ、参拝者に甘茶の接待もあります。また同じ日に白毫寺では一切経法要が行われます。奈良では俗に「寒さの果ても彼岸まで、まだあるわいな一切経」と言われます。これは東大寺の修二会で「春が訪れ」、彼岸を過ぎ、薬師寺の修二会(花会式)で「本格的な春になる」とは言っても、まだまだ寒い日があるということ。一切経法要が行われる4月8日を過ぎて本当に暖かい日が訪れるという言い慣わしです。

新薬師寺の修二会は、この一切経法要も終わった夕方5時から行われます。法要後の夜7時、まだ若干肌寒いとは言え、春の独特の夜気に包まれた境内で、大きな松明が担がれ、金堂の前をゆっくりと通り過ぎます。時折振られて火の粉を散らしながら、静かに通り過ぎてゆく松明ですが、その静けさが、春の夜によく似合います。松明終了後、堂内で厳かに法要が行われます。

問題2

薬師寺の花会式(はなえしき)では、4月5日の最終日に鬼追式が行われます。鬼を演じる人はあらかじめ「鬼の料理」を食べるのが習わしです。このとき出される「ほうれん草を棒状に硬くしぼり固め、断面を斜めになるように切ったもの」は、あるものに見立てたものですが、さて、それはいったい何でしょう。

正解

正解は、鬼の角。

鬼の角は茹でたほうれん草を硬くしぼり、断面が斜めになるように切り、断面部に胡麻を振り掛けたものです。これが一人に2本ずつ出され、食べれば鬼の角を得られるというわけです。

鬼の料理には、ほかにもさまざまなものがあります。たとえば人の肉に見立てた高野豆腐。1センチ角のさいのめに切った高野豆腐を油で揚げたもので、同様に短冊状に切った昆布を揚げたものは、人の皮に見立てられています。そのほか、豆を煮たものは目、ほうれん草のごま和えは内臓というように、鬼が喜びそうな料理ですが、すべて精進料理です。このような鬼の料理は、法隆寺西円堂の修二会でも、鬼役の人に振る舞われます。

鬼の料理を食べ、お酒も入った鬼たちは、鬼追式で大暴れ。薬師寺の鬼の暴れぶりは、奈良でもっとも激しいといって過言ではないでしょう。

問題3

3月1日から14日まで行われ、通称「お松明」や「お水取り」で知られる東大寺二月堂修二会。14日間の期間中、夜に上がる大きな松明は、全部で何本でしょうか。

正解

正解は、141本。

3月1日~11日と、13日、14日は各10本ずつ、12日だけは11本上がります。松明は修二会に参籠する僧侶(練行衆)の足元を照らす明かりです。練行衆は全部で11名いるのに、12日を除いて毎日10本しか上がらないのは不思議に思われることでしょう。

練行衆は、最古参の和上から参籠経験の少ない処世界(しょせかい)まで、行法中の位と役どころが決められています。処世界は全般的な準備なども担当するため、実はまだ明るいうちに一人二月堂に上がり、夜からの法要の用意を行います。そのため、普段の日は処世界分を除く他の練行衆分の10本しか、松明は上がらないのです。12日は特別に大きな籠松明が上がる日。この日だけは処世界役もいったん下堂するため、処世界の松明も上がります。

松明見学は比較的すいている平日がおすすめです。土日は混雑するので早めに出かけられた方がいいでしょう。また12日は大変大勢の人で混雑するうえ、一般の参拝者は二月堂下の芝生に入ることができません。流れに沿って2~3本しか見ることができないのであまりおすすめできません。また13日までは1本ずつ上がる松明ですが、14日だけは10本が一度に上がり、いっせいに火の粉が振られ壮観です。松明見学後は、お堂の中で行われる法要を聴聞されるのもいいでしょう。修二会の日程など、詳しくはこちらへ。

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