梅香に誘われて西ノ京へ!歴史と文化のロマン旅
更新日:2024年3月28日
ほんのり甘く、優しい香り…3月の奈良は、梅香に包まれています。
今回の女子旅スポットは、奈良市西ノ京(にしのきょう)エリアです。秋篠川西岸一帯に広がるのどかな町で、 平城京の右京 (朱雀門から南へのびる「朱雀大路」の西側) を西京と呼んだことから始まったとされるロマンあふれる場所です。それでは、梅の香りをたよりに、春の訪れを探しにレッツゴー!
目次
食べ始めたら止められない!優しい味の奈良漬「本家寿吉屋(じゅきちや)」
華やかな紅白梅!世界遺産「薬師寺」で春を感じて
近鉄「西ノ京」駅を降り、東出口の階段を登ったら左側に薬師寺参道の看板を発見!そういえば、ホームにも「薬師寺」と書かれた大きな石柱がありましたね。
薬師寺の建立は、天武9年(680年)。天武天皇が皇后の病気平癒を祈願して建立した寺として知られています。薬師三尊像、東塔、西塔、大講堂など、国宝の仏様や建造物が祀られてあり、見どころ満載です。まずは、冠木門(かぶきもん)へと向かいましょう。
門からお写経道場までの参道は、まるで梅の花のアーチのよう!紅白の梅がグラデーションのように折り重なって、すごく華やかです。
参道を抜けて、玄奘三蔵院伽藍 (げんじょうさんぞういんがらん) へと向かいましょう。
鮮やかなピンクの梅と朱色の建物とのコントラストが言葉にならないほど美しいです!
伽藍には江戸時代に建立されたと伝わる「慈恩殿」があり、その付近に咲く白梅が見事です!
また観梅スポットとしては、「東僧坊(ひがしそうぼう)」もおすすめです♪。周辺には紅白の梅の木がいくつかあり、優美な美しさに魅了されますよ。お土産の購入や御朱印帳の受付もできるので、是非足を運んでくださいね♪
さて、観梅も堪能し、境内をゆったり散策したら、次のスポットへと向かいましょう。
職人たちに感動! 「墨の資料館」で墨づくり体験♪
次に向かうのは、奈良の伝統工芸の職人が住む長屋「がんこ一徹長屋」です。
奈良墨、奈良筆、一刀彫、茶筌、赤膚焼など、奈良を代表する伝統技術の工房が軒を連ねています。職人の手業が見学できる貴重なスポットなんですよ。
長屋の奥へと進むと、白い建物を発見!ここが「墨の資料館」です。
ここで少し「墨」の豆知識を♪奈良の墨は、天平時代から1300年の歴史をもつ奈良を代表する伝統産業です。大同元年(806年)に遣唐使として唐へ行った空海が、筆とともにその製法を持ち帰ったのが始まりとされています。奈良県で生産されている墨は「奈良墨(ならずみ)」と呼ばれ、深みのある色合いが特長。日本国内における固形墨のほとんどが奈良墨で、なんと国内シェア95%なんですって!
そんな素晴らしい奈良墨の知識を余すところなく学べるのがこの施設!墨の資料館を運営しているのは、奈良県で墨の製造・販売を行う「墨運堂(ぼくうんどう)」さんです。では、早速入ってみましょう。
まずは3階展示室へ。大小様々な種類の墨や書画が展示され、自由に見ることができます。中でも、一番インパクトがあったのが、日本一の巨大金巻墨!伊勢神宮に奉納されたもので、大きくて、きらびやか!
それでは、館員さんに同行してもらい、墨造りについてもっと教えてもらいましょう(要予約)。
墨で書く習字といえば、真っ黒をイメージしませんか?でも、ほんとは黒だけではなく、淡いブルーやグレーっぽい色合いが出せるのです。墨は、原料の煤 (すす)と、膠(にかわ)を配合して作られていて、原料の配合を変えることで、色合いの調整ができます。でも、絶妙な色合いの配合に辿り着くまではとても難しく、職人さんが日々、研究を重ねて原料の配合を決めているのだそうです。
展示されていた書画作家さんの作品を見比べると、繊細な色合いの違いが分かります。
次は、職人さんの仕事場を見に、2階展示室へ向かいましょう。
真剣な表情で墨と向き合っているのは、職人の吉田さん。練りあがった墨をよく練ってちぎり、木型に入れる「型入れ」の作業中です。一つひとつ、丁寧に作業する様子に見惚れてしまいます♡
次はいよいよ、「にぎり墨」の体験です!ドキドキ!
手渡されたのは、職人さんが練ってくれた生墨。手のひらにすっぽり収まるサイズです。ほんのり温かく、ツルッとしていて、やわらか~!墨の良い香りにも癒されます♪
記念に素敵な木箱に入れてもらうことができます♪数ヶ月間、引き出しの中などに入れておいて、乾燥させたら墨のできあがりです。湿度100%、気温30℃の環境で放置してしまうと1ヵ月も持たずに腐敗するそうです。
温度、湿度の比較的低い環境で保存すると、数百年の寿命をもつのだそう!驚きです!墨は生きている…ということですね。
展示室に常駐している職人さんは日によって変わるのですが、なんとこの日は、「墨運堂」に3名しかいない職人さんが勢ぞろい!
「1300年もの歴史がある墨づくりの伝統を守りたい。墨を使う人の笑顔を見たい」と話すのは松田さん。その言葉から、技術や伝統を守り継ぐ責任を感じます。
食べ始めたら止められない!優しい味の奈良漬「本家寿吉屋(じゅきちや)」
さて、最後はお土産を買いに行きましょう。土壁に松の木々…古都らしい風情を感じながら歩きます。
筆で書かれた大きな看板が見えてきました!こちらがお目当ての奈良漬専門店 「本家寿吉屋」です。
色んな食材があって目移りしちゃいます。伝統の製法で、厳選素材を使い、1年以上かけてじっくりと手間暇かけて作られている奈良漬け。保存料や添加物は一切使用していないので安心です。
セロリ、ごぼう、しょうがなど、珍しい食材が奈良漬けになっていて、とってもユニーク♪店主さんは「さっぱりとした甘口で、奈良漬特有の癖を少なくしているので、お子さんでも食べやすいですよ」と話してくれました。
おすすめのセロリと、金山寺味噌と刻んだ奈良漬を合わせたおかず味噌風の『薬師味噌』を購入しました。
薬師味噌は白いご飯にのせていただきましょう。甘くて、深みのある味わいでご飯のお供にぴったり♪何杯でもおかわりできちゃいます!野菜スティックやチーズにのせてお酒のおつまみにしても楽しめそう。
『薬師味噌』は、narawashiのオンラインショップでも購入できます。
春の息吹を肌で感じながら、奈良の伝統に触れる西ノ京のおさんぽ旅。きっと、素晴らしい出あいが待っていますよ♪
おすすめコース
近鉄橿原線「西ノ京駅」下車。 |
駅構内にある「薬師寺」と書かれた大きな石柱も必見です。 |
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「薬師寺」と「唐招提寺」の最寄り駅 |
徒歩約5分
「法相宗大本山 薬師寺」へ。
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奈良時代の貴重な建築の東塔や美しい仏像を所有する薬師寺。1998年に、「古都奈良の文化財」の構成資産の1つとして、ユネスコの世界遺産に登録されました。梅の見頃は、2月中旬〜3月下旬で、場所により開花時期に差があります。特に、東僧坊付近、玄奘三蔵院伽藍(慈恩殿付近)、冠木門(西ノ京駅からお写経道場までの参道)がおすすめです。
→スポットの詳細DATAはコチラ |
徒歩約7分
「がんこ一徹長屋」へ(入館料無料)。
一刀彫や漆、茶筌、赤肌焼、筆づくりなど奈良の伝統工芸の職人が集う長屋が並び、実際に仕事をしている様子を見ることができます。 敷地内にある「墨の資料館」へ。 奈良墨の歴史、種類、墨ができる工程などを学べるほか、職人による作業の様子を見学できる資料館。実際に生墨に触れられる「にぎり墨」体験(1,650円/1丁)と、館員さんによる解説は予約が必要です。 ※体験期間は10月~4月(期間限定) |
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現代アートに使われる絵筆は、繊細な色合いが表現できるとあって人気 |
→スポットの詳細DATAはコチラ |
徒歩約10分
「本家寿吉屋」へ。
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厳選素材を使い、添加物を使わず自然の製法で作られる奈良漬のお店。金山寺味噌と刻んだ奈良漬を合わせたおかず味噌風の『薬師味噌』が、長年にわたり多くの方々に愛されています。 品数豊富で目移りしそう! →スポットの詳細DATAはコチラ |
<法相宗大本山 薬師寺 DATA>
住所 | 奈良市西ノ京町457 |
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TEL | 0742-33-6001 |
アクセス | (電車)近鉄橿原線「西ノ京駅」すぐ |
駐車場 | あり(有料) |
拝観時間 | 9:00~17:00 ※拝観受付は16:30まで |
拝観料 | 大人1,000円 |
<墨の資料館 DATA>
住所 |
奈良市六条1丁目5-35 ※墨運堂 |
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TEL |
0742-52-0310 がんこ一徹長屋 0742-41-7011 |
アクセス | (電車)近鉄橿原線「西ノ京」駅下車、徒歩5分 |
駐車場 | あり |
入館料 | 無料 |
体験料 | にぎり墨体験(1,650円/1丁) ※要予約 |
休館日 |
・年末年始 ・8月1日~8月31日 ・10月~4月:月曜 ※祝日の場合はその翌日 ・5月~9月:土曜、日曜、祝日 |
<本家寿吉屋DATA>
住所 | 奈良市西ノ京町392-2 |
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TEL |
0742-34-8117 |
アクセス |
(電車)近鉄橿原線「西ノ京」駅下車、徒歩約5分 |
駐車場 | 無料(5台) |
時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 火・水 |