初夏の明日香で“お写活”旅♪
更新日:2023年6月20日
初夏の明日香村は、さわやかな緑に囲まれた雄大な田園風景と、のんびりとした雰囲気が魅力です。約1400年前に都がおかれた歴史ある明日香村。遺跡・景観保全のため、村全域が歴史的風土保存の対象とされており、田園風景の中に飛鳥の華やかな歴史文化が垣間見え、まるで時代をさかのぼったかのような景色が広がります。現在、村全体の世界遺産登録を目指していることでも話題の明日香村は、写真映えスポットも豊富で女子旅にピッタリ♪ 広がる空の下で、澄んだ空気を感じながら、カメラを持って“お写活”旅に出かけてみましょう!
目次
明日香旅にははずせない! 百花繚乱の天井画 「橘寺(たちばなでら)」
キラキラと心ときめく癒し空間 「mimo座雑貨店」
農村の原風景にリフレッシュ 「稲渕の棚田」
明日香旅にははずせない! 百花繚乱の天井画 「橘寺(たちばなでら)」
今回は、車でゆっくりと明日香村をまわっていきましょう。道中の景色も明日香村に入ると、一変。高い建物がなく、見晴らしが良いので、空が広くてとっても気持ちいい~♪
車通りも少なく、道も開けていて運転しやすいので、ドライブ旅も安心です。
まず、最初に訪れたいスポットは、飛鳥時代からの長い歴史を持つ「橘寺」です。実は、若い観光客の間で“写活スポット”として人気を呼んでいます。境内に四季折々の花が咲く橘寺は、シャッターを切りたくなるスポットばかり。中でもお写活に外せないのが、平成9年に再建された往生院(おうじょういん)の「天井画」です。ここ数年SNSを中心に「天井画が美しすぎる」と話題になり、一目見ようと多くの観光客が訪れるようになりました。その人気ぶりに、同寺の副住職の古賀野さんも「当初は写真映えを狙ったものではありませんでした。それが昨今、こんなにも多くの方にご来寺いただき、たいへん不思議に感じています」と、話します。
天井一面に敷き詰められた和洋様々な花の絵は、数にして260点。現代画家や作家が、「極楽浄土に咲く花」をイメージして描き、奉納したものです。実際に見てみると、想像以上の華やかさ。同じ天井画の写真でも、その日の気候や時間帯によって光の差し込む加減などの違いで写り方が違うそうで、何時間もシャッターチャンスを待つ人もいるのだとか。それほどに魅力を感じるのもうなずける美しさです。
さて、写真スポットを探して境内を散策してみましょう。橘寺は、聖徳太子が創建したとあって、太子ゆかりのポイントがたくさんあります。こちらは、聖徳太子の愛馬と言われている「黒駒」の銅像です。本堂正面に植えられた橘の木とともに同寺のシンボル的な存在です。創建は西暦600年代の飛鳥時代と長い歴史のある橘寺ですが、現在あるのは1864年に再建されたもの。こちらの黒駒像も経年による劣化などで、平成になってから作り直された3代目なのだそうですよ。凛々しい太子の愛馬をパシャリ! かっこいい~★
こちらは「二面石」という、不思議な石造物。向かって右側は“善面”左側は“悪面”といわれていますが、見る人によって、感じる表情は様々だそうです。左右それぞれの表情がシンメトリーになっておもしろい♪
撮りたいものはまだまだいっぱい! 初夏は橘の花や、銀盃草(ぎんぱいそう)が白く可愛らしい花を咲かせています。夏から秋にかけては、芙蓉(ふよう)や彼岸花が見頃を迎えるそうです。五重塔跡には高さ約38mもあったといわれる五重塔を支えた支柱が埋まっていた「塔心礎(とうしんそ)」が見られます。珍しい形で、橘模様をさかさまにしたようにも見え、その大きさからも当時の塔の大きさがうかがえます。
さらに、寺の東門からは、向かいに見える山とそこにそびえる「岡寺」の五重塔の見事な借景を見ることができます。かつて飛鳥時代には大寺院といわれていた橘寺ですが、長い歴史の間で再建を重ねてきました。高台にあるのは、再建の度に整地を重ねているからだそう。そういえば来るときに道路沿いから坂道を上がってきたのは、そういうことだったのか~、と納得。境内にある回廊跡などからも当時の寺の大きさがうかがえます。
時代とともに再生しながら歴史を紡いできた橘寺。目で見える姿だけでなく、その場所やそこにあるものの息づかいにもフォーカスをあてることが、よりお写活を楽しむポイントなのかも♪ 古賀野さんは「若い方が足を運んでくれるようになるのは嬉しいことです。どんなことからでも興味を持ってお寺や仏教に触れる機会になれば幸いです」と、話していました。
キラキラと心ときめく癒し空間 「mimo座雑貨店」
次は、少し北へ向いましょう。村内を流れる飛鳥川沿いから西へ入ると、石畳の道が続きます。道の先に見える緑の山に導かれるように延びるこの道は、飛鳥坐(あすかにいます)神社への参道。さっきまでの自然に囲まれた風景とは一変、昔ながらの建物が並ぶ静かな町並みが続きます。農村ののどかな雰囲気の中に、こういった歴史を感じるスポットとの出会いがあるのが明日香村の魅力。さっそく、近くの有料パーキングに車を停めて、カメラを片手にお散歩してみましょう♪
どこを撮っても絵になるレトロな雰囲気に、シャッターを切る手がとまらない~!
町家が並ぶ一角に、キラリと光る星が描かれた大きな暖簾を掲げたお店が見えます。こちらは、「mimo座雑貨店」さん。レトロモダンな佇まいが素敵♡ いったいどんなお店なのかな~? 藍色の暖簾をくぐると、小さい門の先に、開かれた扉が…そっと中に入ってみると…!
作家さん手作りのアクセサリーやカトラリーなどの素敵な雑貨がずらり! おしゃれにディスプレイされていて居心地のよい空間です。
窓際にあるカウンター席では、ゆっくりと外を眺めながらコーヒーをいただくこともできます。外から差しこむ自然の光とお庭の緑に癒される~♪
店主の石井さんいわく、この季節のおすすめ商品は、同じ明日香村の硝子工房「さんぽ」さんが作る、美しいグラスや涼し気な風鈴といったガラス雑貨です。この透明なグラスもキラキラとした泡のようなあしらいがとっても可愛い♡
実家の納屋でこの店を開いているという石井さん。「ここに来られる方は、旅の休憩に立ち寄ってコーヒーを飲んだり、お気に入りのアイテムをじっくり品定めしたり、それぞれの過ごし方を楽しまれます。お店があることでこの通りに人が行き交い、誰でも集える場所になればと思っています」と、話します。そんな思いに導かれるように、あの一番星の暖簾をくぐって、また誰かがここに来るんだろうな…。佇む隠れ家のようなmimo座雑貨店は、訪れる人の心も暖簾の星みたいにキラキラさせてくれる素敵なお店でした。
農村の原風景にリフレッシュ 「稲渕の棚田」
再び南に車を走らせて、今度は明日香村ならではの田園風景を見に行きましょう。米どころともいわれる明日香村には棚田が多く、田植えの始まる初夏には水を張った田んぼが折り重なるように広がり、美しい景色を作り出します。
中でも、稲渕地区の棚田は「奈良県景観資産」「日本の棚田百選」にも選ばれるほどの美しさです。まさに絶好の写真スポット! 目印の看板前には無料駐車スペースがあります。 車を停めてゆっくり写真を撮りに行きましょう♪
緑の山々に囲まれ、段々になった田んぼの水面が鏡のように太陽の光を反射しています。これはこの季節ならではの景色♪ どこまでも広がるような幻想的な風景にうっとり…。
今はさわやかな緑が続く稲渕の棚田ですが、秋には赤い彼岸花が咲いて、初夏の棚田とは、また違った風景を見せてくれます。
心地いい風に吹かれながら歩いていると、棚田の間を縫うようにくねくねと曲がった1本の道路を発見! 絵に描いたような田舎道に立っていると、まるで別の世界に来たかのよう。日々の喧騒を忘れてしまいます。
訪れる場所によってさまざまな景色を見せてくれる明日香村。この景色もしっかりと写真におさめて、次はどこへ行こうかな~♪ 明日香村の旅はまだまだ楽しめそうです。
おすすめコース
近畿自動車道「美原JCT」より、南阪奈道路、国道165号を経由し、約25㎞ |
「橘寺」
本堂前にある橘の木と黒駒像 |
近年SNSで往生院の天井画が話題を呼び、明日香村の人気写真スポットとなった橘寺。その歴史は古く、この地に生まれた聖徳太子が推古天皇の命により建立した寺院といわれています。天井画の他にも見どころ満載なので、ゆっくりと訪れたいスポットです。 往生院の天井画は圧巻の美しさ! →スポットの詳細DATAはコチラ |
車 約6分
「mimo座雑貨店」
この暖簾がお店の目印☆ |
昔ながらの町家が並ぶ静かな通りは、人通りも少なく写真撮影にもおすすめの穴場スポットです。そこに佇むmimo座雑貨店は、心落ち着く素敵な空間。旅の休憩やおみやげ購入に立ち寄ってみて♪
→スポットの詳細DATAはコチラ |
車 約7分
「稲渕の棚田」
田植え時期の稲渕棚田 |
明日香村の歴史的景観の一部である稲渕の棚田。300枚余りの水田と畑によって形づくられた農村風景の美しさは、まさに日本の原風景といえます。春は菜の花、初夏の水田、初秋には周辺に咲く彼岸花など、写真の撮影を楽しむ人が多く訪れるスポットです。 →スポットの詳細DATAはコチラ |
車 約3分
「トブトリノ焙煎所」
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稲渕地区で、自家焙煎珈琲を販売する「トブトリノ焙煎所」。店頭販売には事前に来店予約が必要ですが、来店時には、その場で焙煎士が入れるコーヒーの試飲ができます。完全受注生産で販売するコーヒーは、豆の劣化や酸化を抑えられ、その日の気候に合わせて焙煎されています。丁寧に作られたコーヒーは香りがよく、深みのある洗練された味わいです。事前に受け取りたい商品を注文しておいて、自分へのお土産として購入して帰るのもおススメ♪ 明日香の風を纏うコーヒーで、おうちでも旅の余韻に浸れそう♡ |
ドリップバッグのおいしい抽出方法を学ぶことができ、その場で試飲もできる珈琲講座(毎週水・日曜日・完全予約制)では、じっくりとコーヒーと向き合う時間を体験できる。
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奈良専門オンラインショップ「ならわし」にて →スポットの詳細DATAはコチラ |
車 約13分
「奥飛鳥天空展望台」
展望台からの眺望 |
天空の村と呼ばれる、奥飛鳥入谷地区の大仁保(おおにほ)神社の境内にある展望台。標高450mから見下ろす景色が素晴らしく、快晴の日は、大阪の「あべのハルカス」まで見えるほどの眺望です。車は「入谷バス停」に駐車できます。急な上り坂ですが10分ほど歩くと旅の締めにふさわしい絶景に出会えるはずです♪ →スポットの詳細DATAはコチラ |
<橘寺 DATA>
TEL | 0744-54-2026 |
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住所 | 高市郡明日香村橘532 |
アクセス | 近畿自動車道「美原JCT」から南阪奈道路を経由、県道206号(約30㎞) |
駐車場 | 無料 |
拝観時間 | 9:00~17:00(16:30最終受付) |
入山料 | 大人・大学生400円、高校生・中学生300円、小学生200円 |
<mimo座雑貨店 DATA>
TEL | 090-7750-9465 |
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住所 | 高市郡明日香村飛鳥694 |
アクセス | 近畿自動車道「美原JCT」から南阪奈道路を経由、県道206号から県道124号(約30㎞) |
駐車場 | 有2台/近隣有料駐車場有 |
営業時間 | 平日 12:00~16:30/土日祝 11:00~16:30 |
定休日 | 月・火・金曜日(臨時休業あり) |
<稲渕の棚田 DATA>
住所 | 高市郡明日香村稲渕 |
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アクセス | 近畿自動車道「美原JCT」から南阪奈道路を経由、県道15号(約31.5㎞) |
駐車場 | 無料駐車スペース有 |
<トブトリノ焙煎所 DATA>
TEL | 090-5703-9827 |
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住所 | 高市郡明日香村稲渕1109 |
アクセス | 近畿自動車道「美原JCT」から南阪奈道路を経由、県道15号(約33㎞) |
駐車場 | 近隣道路沿いに無料駐車スペース有 |
営業時間 |
来店は要事前予約。ホームページ(https://tobutorino.coffee/)のメールフォームから、希望の日時を連絡。 受注は週2回、金曜・日曜の18:00締切 |
<奥飛鳥天空展望台 DATA>
住所 | 高市郡明日香村入谷 |
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アクセス | 近畿自動車道「美原JCT」から南阪奈道路を経由、県道15号(約36㎞) |
駐車場 | 入谷バス停に駐車可 |