「奈良の東(はる)」で感じる里の秋 田原で心あたたまる出会いを
更新日:2022年11月15日
奈良市中心部から車でわずか20分ほどの山間部、広大な茶畑が広がる田原地区は、「ならのはる」と呼ばれる奈良市東部に位置します。「はる」とは「東」を意味し、古代より陰陽五行説での「春」の方角を表しています。中でも、田原地区は市街地から近いのに全くちがった雰囲気を感じられるのが魅力。雄大な自然環境が残る大和高原にあり、農業が盛んなこの地区は、大和茶が栽培される茶所として知られ、奈良市東部の野菜は新鮮でおいしいと近年人気を呼んでいます。これからは新米のおいしいシーズン! 今年の秋旅はのどかな田原に行ってみましょう♪
目次
奈良でまさかのりんご狩り!? 「窪田りんご園」で秋まるかじり!
日常に感じる甘いしあわせ 「käsi(かし)」でほっこりカフェタイム♡
奈良でまさかのりんご狩り!? 「窪田りんご園」で秋まるかじり!
奈良市の市街地から東へ山を一つ越えるとそこが田原地区。同じ奈良市内なのに、まるで別の世界に来たかのよう…日本の田舎風景が広がります。
これぞ田原の風景! 広がる茶畑を横目に車を走らせます。窓を開けると澄んだ空気が感じられて、とってもきもちいい~♪ ここでどんな出会いがあるんだろう…と、ワクワク!
まずは、この時期にりんご狩りができるという「窪田りんご園」にやってきました。「奈良でりんごって…本当?」と思う人も多いでしょう。奈良でおいしく育てられた“ここならではのりんご”には、土づくりに秘密がありました。
駐車場に車を停めて、丘陵地のりんご畑を上まで上がると…こんな絶景が! 秋の涼しい風とやわらかい日差しが最高!
りんごといえば寒い地方で採れるイメージですが、奈良でも採れるなんて意外! 園長の窪田さんは、「夏は暑い奈良の気候でも、しっかりと育つ強い木にするため、化学肥料は使用せず、発酵肥料などを使って微生物によって土を肥やし、竹チップやもみ殻の燻炭を混ぜ込んで…と、土づくりから工夫を凝らしています」と、話してくれました。
さらに、「りんごの実には6月頃から袋がけをし、葉や木にかけた薬品がかからないようにすることで、実は無農薬状態で育てます。収穫ギリギリまで袋に覆われていた実は、皮が柔らかくそのまま食べられるほどのおいしさですよ」と、窪田さん。大切に丁寧に育てられたりんごは寒冷地域で育ったりんごにも負けない、立派な味わいです。
ころんっと赤くなったりんごがとっても可愛い♡ ここで、園長に聞いたおいしいりんごの見分け方をご紹介! まずは、りんごの形をよ~く見て…りんごの底面、おしりのくぼみがぐっと入り込んでいるのがおいしいりんごです。そして色は真っ赤ではなく、実の赤色に透明感があり、黄色が見えているものがグッド! ぜひ、りんご狩りをする時やお買い物に行くときの参考にしてくださいね。
ここでりんご狩りができるのは10月下旬から11月末まで。期間限定のため予約必須です!
日常に感じる甘いしあわせ 「käsi(かし)」でほっこりカフェタイム♡
車でしばらく行くと、のどかな風景の中にひときわ目を引くおしゃれなカフェを発見。自家製パンと焼菓子のお店「käsi」です。ドアを開けると漂う甘~いお菓子の香り♡ 思わずお腹がぐうぅ~(笑)
コンパクトな店内はかわいらしく落ち着いた雰囲気。店頭にならぶベーグルやクッキーなどは、どれも手作りでナチュラル感が溢れています。おいしそ~♪
さっそく人気のコーヒーラムレーズンケーキとコーヒーを注文。ケーキはコーヒーの香りがふわっと口の中にひろがり、甘酸っぱいラムレーズンがアクセントになった大人の味。とろっと甘いホイップを合わせるとまた違った味わいに。これがコーヒーにめっちゃ合う~♡ 冬にかけては、りんごやチョコレートを使用した季節感溢れるスイーツを考えているそうです。これからの季節も楽しみ~。
店主の加藤さんは以前、奈良市西ノ京で「パルロワ」というカフェを営んでいました。自然豊かな環境でのびのびと子育てをしたいと田原に引っ越し、現在の「käsi」としてお店を開かれました。「日常の中のひとコマに、季節を感じること」をコンセプトに、以前から変わらず手作りにこだわったメニューを提供しています。ありのままの季節の変化に合わせ、丁寧な暮らしを心掛ける。そんな加藤さんならではの感性が感じられる素敵なお店でした。
ほっとする…なつかしい日本の田舎風景を求めて
カフェでほっこり一息ついた後は、田原ならではの自然風景を求めて、また車を走らせましょう。田原の魅力といえば、やはりこの自然風景です。
稲刈り後の田んぼの間に1本の砂利道、この先にあるのは奈良時代最後の天皇のお墓「光仁(こうにん)天皇陵」です。こんもりとした緑濃い古墳が、あたりの風景と秋空に相まって幻想的です。
辺りには、トンボが飛び交っていました。普段の生活から少しはなれて、懐かしい田舎に帰ってきたかのような気分、おちつくな~。
「何にもないところだけど、何にもないのがかえっていい」「市街地に近いのに自然をめいっぱい感じられるのが魅力」「春は新緑の茶畑が綺麗よ。夏は夜に蛍が見られるし、秋の稲刈り前は黄金の稲穂、紅葉もきれい」と、地域の人たちは口々に教えてくれました。暮らす人はみんな笑顔でおおらか! 豊かな自然とやさしい人々の笑顔に出会えて、心も身体もあったかい旅になりました。
定番の奈良旅もいいけど、もう少しだけ足を延ばして、古き良き日本の原風景に出会いに行ってみませんか? これからますます深まる秋、郷愁田原にはきっと心温まる出会いが待っていますよ。
おすすめコース
近鉄・JR「奈良駅」 |
車 約20分(駐車場から 徒歩 3分)
「窪田りんご園」
園長の窪田さんは、セカンドライフで趣味のりんご栽培をさらに広げようと、このりんご園を始めたのだそう。りんご狩りは10月20日~11月30日まで(要予約)。秋の田原に行くなら絶対に訪れてほしいおすすめスポットです。 →スポットの詳細DATAはコチラ |
車 約4分
「田原やま里弁当」
隣は新鮮な地元野菜などが人気の「田原やま里市場」 |
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愛情たっぷり・おかずもたっぷりの日替わり弁当はこのボリュームで、なんと 600 円!とってもお得~♡ |
地元でも人気の「田原やま里弁当」は、地域のお母さんたちが、毎日手作りで提供しています。食材に田原地区の農家さんからいただいた野菜や米、隣接する「田原やま里市場」の野菜などを使ったお弁当は素材の味がしっかり感じられて絶品! おかずもいっぱい、新米で炊いたごはんがすすんじゃいます♡ ※新米のシーズンは9月中旬から12月まで →スポットの詳細DATAはコチラ |
車 約1分
「käsi」
ナチュラルでおしゃれな雰囲気♪ ずっといたくなるお店。 |
お店こだわりの手作りのお菓子はどれもやさしい味わい。季節を感じるスイーツと素敵な空間に癒されます。キュートでおいしいお菓子やベーグルはテイクアウトもあり、お土産にもぴったりです♡ →スポットの詳細DATAはコチラ |
車 約3分
「岡井麻布商店」
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奈良を代表する伝統工芸品「奈良晒(ざらし)」。武士の裃や茶道に欠かせない茶巾などに使われた高級な麻織物のことで、徳川幕府御用達の品でもありました。江戸時代(1863年)創業の「岡井麻布商店」は、現在も手つむぎの糸を使用した手織りの奈良晒を生産しています。近年は綿の蚊帳生地を使用した人気の「大和の果物」をはじめ、現代のライフスタイルに合わせた様々な麻布製品の販売もされています。麻から糸を作り出す段階から10以上もの工程を経て、熟練の工芸士が丹精を込めて作り上げる奈良晒は、上品な質感や優しい風合いが特徴。お土産や贈り物にもおすすめです。(工房見学は事前予約が必要) ちなみに、岡井麻布商店の商品はオンラインでも購入できます。 →スポットの詳細DATAはコチラ |
車 約4分
「光仁天皇陵(田原東陵)」
田んぼに囲まれた静かな場所にある「光仁天皇陵」。稲刈り後の田んぼの中にぽつんと佇む姿はとても美しく、郷愁感をさそいます。 →スポットの詳細DATAはコチラ |
<窪田りんご園 DATA>
TEL | 070-3615-5512 |
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住所 | 奈良市矢田原町 765 |
アクセス | JR・近鉄「奈良駅」からバス「矢田原口」下車、徒歩 15 分 |
開園時間 | 9:00~16:00(予約制) |
休園日 | 火曜日・11 月 4 日(金)~11 月 8 日(火) |
<田原やま里弁当 DATA>
TEL | 090-7553-3251 |
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住所 | 奈良市茗荷町 774-1 |
アクセス | JR・近鉄「奈良駅」からバス「矢田原口」下車、徒歩 3 分 |
営業時間 | 11:00~14:00 |
定休日 | 火曜日 |
<käsi DATA>
TEL | 0742-55-9729 |
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住所 | 奈良市茗荷町 1177 |
アクセス | JR・近鉄「奈良駅」からバス「茗荷」下車、すぐ |
営業時間 | 11:30~17:00 |
定休日 | 火・水・木・日曜日 |
<岡井麻布商店 DATA>
TEL | 0742-81-0026 |
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住所 | 奈良市中之庄町 107 |
アクセス | JR・近鉄「奈良駅」からバス「中之庄」下車、徒歩 5 分 |
工房見学 | 平日 9:00~17:00(要予約) |
定休日 | 土日・祝日(平日は不定休) |
<光仁天皇陵(田原東陵) DATA>
住所 | 奈良県奈良市日笠町 |
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アクセス | JR・近鉄「奈良駅」からバス「日笠」下車、徒歩 8 分 |