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伝統とアートを巡る旅♡秋の川上村(一日目)

更新日:2021年10月27日


その土地にしかないものを味わい、その土地でしか出合えないものに出合う。旅の醍醐味は、体験と発見!いつもとは密度の違う時間を満喫できることに魅力を感じますよね♡
今回の旅の舞台は奈良県南部にある吉野郡川上村。見渡す限り広がる山々に、澄み切った川。手つかずの原風景が残る自然が美しい地域です。国内最高級の建築材として知られている吉野杉・吉野桧の主産地でもあり、いくつもの製材所があるのも川上村の特徴です。
良質な素材が手に入りやすく、静かで、穏やかな土地。こうした恵まれた環境から、伝統的な木造建築や工芸品が生まれてきました。近年では、新進気鋭のクラフト作家やアーティストが移住し、創作活動の場としても注目を集めています。
そこで今回は伝統とアートをテーマに、1泊2日の川上村の旅を余すことなくご紹介します。


※営業時間等の変更・臨時休業となる場合があります。お出かけの際は各スポットのホームページやお電話等で事前にご確認ください。

目次

川上村に行くなら必ず食べたい!元祖「柿の葉寿司 大滝茶屋」
伝統に思いを馳せ「静けさ」という贅沢を満喫「朝日館」
「癒しのりんご」に逢いたくて「白い犬~Anjing Putih~」

川上村に行くなら必ず食べたい!元祖「柿の葉寿司 大滝茶屋」

大きなトンネルをいくつも抜け、和歌山県まで通じる169号線を南へ南へ。高い山に囲まれながら、山間をくねくねと車を走らせていると、眼下にミルキーブルーの川が…! 清流・吉野川です!吉野川の源流は川上村の奥地にあり、500年以上も昔から手つかずの森が残されていて、「水源地の森」として地域で守っているのだそう。

さらに、吉野川に沿って車を走らせていると、「川上村」の看板を発見!いよいよ、入村です!
店舗や民家がぽつりぽつりと増えてきて、のどかな集落が旅行客を出迎えてくれます。
しばらく行くと、大きな岩「鎧岳(よろいだけ)」が! その川向こうに「大滝茶屋」と書かれた一軒の古民家風のお店。柿の葉寿司の元祖「大滝茶屋」に到着です。

江戸時代に生まれた柿の葉寿司は、一口大の酢飯に、塩で締めた鯖や鮭を柿の葉で包んだ押し寿司で、奈良の郷土料理。一説によると、このお寿司を最初に売り出したのが、「大滝茶屋」なのだそう。静岡県焼津産の大きく脂ののった鯖の腹に塩を入れ、3週間ほど寝かせると、ほどよく脂が抜けて、生臭さが押さえられていきます。この「塩だけで締める」という製法をずっと守ってきたのだそう。

これまでは、お店に行かなきゃ食べられなかった大滝茶屋の柿の葉寿司が、オンラインでお取り寄せができるようになりました!
詳しくはこちらへ→「narawashi
お店の窓から見えるのは、雄大な山々とキラキラと光る吉野川。川岸に降りることができるので、柿の葉寿司を頬張りながら、しばし休憩です。

伝統に思いを馳せ「静けさ」という贅沢を満喫「朝日館」

さて、いよいよ今日のお宿、「朝日館」へ向かいましょう。

「ようこそ、おいでくださいました」と出迎えてくださったのは、女将さんと若旦那の辻さん。創業明治14年、多くの旅人や登山客を迎え、旅の疲れを癒してくれる老舗旅館です。

玄関を入ると、まず目を奪われるのが、壁に掛けられた山脈の絵。近づいて、目を凝らすと、工芸作品だと分かります。吉野にあるスタジオ「あかり工房 吉野」が大峯山(おおみねさん)の山並みをイメージして創り上げたもの。吉野ヒノキを丸く、薄くスライスし、重ね合わせた様子は緻密で繊細。だけど、なんて雄大な景色!作品のスケール感に思わずため息が出ます。その昔、朝日館は、大峯山へ修験道(しゅげんどう)の修行に行く人たちの憩いのお宿でした。入峰(にゅうぶ)する方、お帰りになる方を温かく迎え入れ、疲れを癒してきたお宿。今も昔も変わらない旅人へのおもてなしの気持ちがこの一枚に込められています。
さて、次は本日宿泊するお部屋へ。襖を開けると…これぞ和風建築!凛とした空気の中にも、どこかホッとするのは、季節の花やいぐさの香り、そして昔ながらのしつらえによるものでしょう。

くつろいだ後は、入浴タイム!夕食の前に汗を流しておきましょう♪

芳醇な槇の木のいい香り~!ゆったりと湯舟につかりながら、坪庭のピクチャービュー。非日常感に浸ってしまいます。

リフォームしたばかりの洗面台も、味のある雰囲気を醸し出しています。

お風呂からあがったら、夕食までの間、階下の談話室へ。
囲炉裏を囲むように人が集う、昔ながらのしつらえです。

注目したいのがこの椅子!
川上村にある「studio Jig」の木工作家さんの作品です。柔らかで、しなやかなフォルムがお部屋の優しいイメージにピッタリ。
一度座ると…もう虜になるほどの居心地の良さ。気に入って、注文した宿泊客もいらっしゃるのだそう。
川上村の工芸品やアート作品に出合えるのも、朝日館に宿泊する醍醐味だといえます。

さて、お楽しみの夕食です。
ジビエ、川魚、旬の野菜や山菜と、女将さんが腕を振るった会席料理は、地産地消にこだわった逸品ばかり。旅の疲れもゆっくりと癒されていく優しいお味です。

心もお腹も大満足…と思ったらもう夜更け。観光地のような賑わいはなく、静寂と美しい星空だけが広がる川上村の夜。
この「なにもない」ことこそが、本物の贅沢だと気づかされます。
さあ、明日も旅は続くので、早めに休みましょう。
(後編に続く)

<おすすめコース>

おすすめコース
Start

ピクニックにおすすめは、鯖と鮭のパック入り(6個入/750円)

京奈和自動車道「五條北IC」より、車を走らせること40分。吉野川に沿うように続く、国道169号線を南へ下る道中に、元祖・柿の葉寿司のお店「大滝茶屋」があります。これからの季節は、赤や橙の鮮やかな柿の葉を使った秋限定のお寿司が販売されます。店の近くに「大滝ダム」、車で5分ほどのところに「蜻蛉(せいれい)の滝」があり、気候がよければ柿の葉寿司を持ってピクニックがおすすめ!冬季(12~2月頃)は休業のため、訪れるならお早めに。

→スポットの詳細DATAはコチラ
下矢印車 25分

吉野杉とヒノキを使って、温もり溢れる工芸作品を作るアトリエ「白い犬~Anjing Putih~」。作家の山本さんは、生まれも育ちも川上村。「この土地で育ったからこそ分かる、吉野杉の味わい深くも、柔らかな風合いを、作品を通じて伝えていきたい」と話してくれました。

「癒しのリンゴ」「積み木のイス」と、山本さんの作品は丸く、可愛らしいフォルムが特長。手触りが滑らかで、触れていると優しい気持ちになれる作品ばかり。購入する場合は、川上村の「道の駅」、オンラインのほかにも、直接アトリエに伺ってもOK(事前連絡必要)。
ぜひ、お手に取ってみてくださいね♡

→スポットの詳細DATAはコチラ
下矢印車 20分

創業明治14年。吉野・大峯山への登山客や旅人を迎え、疲れを癒せるようもてなしてきた旅館「朝日館」。重厚な大正造りの木造建築、和モダンの趣が随所に散りばめられたしつらえ、四季折々の自然美が堪能できる中庭。優美でありながら、どこか懐かしい気持ちになるのは、静かな環境と、温かなもてなしによるもの。この旅館で心ゆくまで、ゆったりと過ごせば、明日からの活力を養えますよ!

朝日館の名物!女将さんの手作り「柚子羊羹」は、オンラインでお取り寄せができます!
詳しくはこちらへ→「narawashi

Goal
 

<大滝茶屋 DATA>

TEL 0746-53-2350
住所 吉野郡川上村大滝420-1
アクセス 京奈和自動車道「五條北IC」より約40分
営業時間 9:00~18:00(無くなり次第終了)
定休日 水曜、冬季休業(12月頃~2月頃予定)
 

<白い犬~Anjing Putih~DATA>

TEL 090-5064-4334
住所 吉野郡川上村伯母谷201
アクセス 京奈和自動車道「五條北IC」より約60分
営業時間 9:00~17:00
定休日 不定休
HP https://www.shiroiinu.com
 

<朝日館 DATA>

TEL 0746-54-0020
住所 吉野郡川上村柏木154
アクセス 京奈和自動車道「五條北IC」より約60分
料金 1泊2食付(1室2名利用)1名16,500円~
HP http://kawakami-asahikan.com/

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