ご利益を授かりにいこう。奈良のお寺4選!
掲載日:2023年12月18日
奈良には、古来、人々の厚い信仰を集めてきたお寺が数多く存在します。今回は、その中でも特筆すべき4寺を厳選してご紹介します。ぜひ、仏様に感謝を伝え、新たなご利益を授かりに行きましょう。お寺独自の授与品や、個性的なオリジナルグッズもお見逃しなく。
ご利益を求めて。霊験あらたかな奈良のお寺4選
- 飛鳥時代から法灯を守る、天皇由来のがん封じ・病気封じの大寺。
「大安寺」(奈良市) - 福の神!毘沙門天の霊場・信貴山朝護孫子寺の塔頭寺院。
「信貴山大本山 玉蔵院(ぎょくぞういん)」(平群町) - 美しき国宝秘仏・十一面観音像を所蔵する、子宝・安産祈願の寺。
「聖林寺(しょうりんじ)」(桜井市) - 諸願成就などの秘法を伝える、修験道と山岳信仰の根本道場。
「金峯山寺蔵王堂(きんぷせんじざおうどう)」(吉野町)
飛鳥時代から法灯を守る、天皇由来のがん封じ・病気封じの大寺。
「大安寺」(奈良市)
国のために祈りを捧げる大寺として、日本で初めて、天皇自らが建立を命じた官立寺院(国立寺院)が「大安寺」です。創建時から移転と寺名変更を繰り返し、平城京遷都によって現在の地に落ち着き「大安寺」を称しました。奈良時代に朝廷の庇護を受けた7つの大寺(南都七大寺)の一つで、平城京の南方を守護していました。かつては、国の存亡を左右する悪病・難病封じをも担っていましたが、現在は悪病の最たるもの「がん」を封じる寺として広く知られ、連日、数多の御祈祷が行われています。
例年1月23日・6月23日は「がん封じ」のための恒例行事が執り行われ、参拝者には無病息災を願って御祈祷が施された「笹酒」がふるまわれます。いつもは静かな境内も、この時は大勢の参拝者が詰め掛け、大変な賑わいをみせます。
また、2023年4月には、寺が誇る天平仏7体(重要文化財)を収蔵するための宝物殿がリニューアルオープン。宝物殿内にはCGで再現した、最盛期の伽藍を映すモニターも設置。手元コントローラーの操作で、かつての伽藍を立体的に体験することができ、必見です。
参拝者によって、境内の至る所に置かれた「ダルマみくじ」。
周辺の緑と調和した愛らしさに、ほっと心が和むのを感じるはず
大安寺の授与品と、おすすめオリジナルグッズ(一部)
病気平癒御守各500円 |
癌封じ御守各500円 |
笹酒300ml 1,000円 |
大安寺傘(さん)4,000円 |
大安寺 詳細DATA |
奈良市大安寺2-18-1 |
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交通(公共交通機関) | JR・近鉄奈良駅から奈良交通バス「大安寺」下車、徒歩10分 |
福の神!毘沙門天の霊場・信貴山朝護孫子寺の塔頭寺院。
「信貴山大本山 玉蔵院(ぎょくぞういん)」(平群町)
飛鳥時代、聖徳太子の前に毘沙門天が出現され、その後、太子によって信貴山内に創建されたのが「信貴山朝護孫子寺(しぎさんちょうごそんしじ)」です。ここは日本最古の毘沙門天霊場で、山内(境内)に3ヶ寺の塔頭寺院を抱えます。玉蔵院はその一つで、1000年以上の歴史を持つ祈願寺であり、宿坊としても親しまれています。
毘沙門天は、商売繁盛・金運・開運招福・心願成就の徳を授けてくださる福の神。玉蔵院では、秘仏双身毘沙門天をお祀りする「浴油(よくゆ)堂」、玉蔵院の寺号の由来となった如意宝珠を祀る「融通(ゆうづう)堂」、そして「地蔵堂」を中心に、参拝や座禅、御祈祷や戒壇めぐりなど、諸願成就に通じる祈りの場が設けられています。
古来、毘沙門天ゆかりの「寅」のご縁日に参拝すると、特に厚いご利益を授かると信じられてきました。朝護孫子寺の境内の各所には、張子の虎の置物が置かれ、また各塔頭でも「寅」をモチーフにしたお守りやオリジナルグッズが販売されています。旅の思い出にぜひ買い求めてみてはいかがでしょうか。
朝護孫子寺の境内には「世界一の福寅」として知られる張り子の虎があり、観光客に人気。全長はなんと6メートルもあります
玉蔵院の授与品と、おすすめオリジナルグッズ(一部)
毘沙門天 護身鏡守1,000円 |
招き寅 各1,000円 |
寅小紋ポーチ 各3,000円 |
ミニトートバッグ 各4,000円 |
信貴山玉蔵院 詳細DATA |
生駒郡平群町信貴山 0745-72-2881 境内自由 拝観時間9:00~17:00 駐車場約100台(500円) |
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交通(公共交通機関) | JR・近鉄王寺駅または、近鉄信貴山下駅からバス「信貴大橋」下車、徒歩5分 |
美しき国宝仏・十一面観音像を所蔵する、子宝・安産祈願の寺。
「聖林寺(しょうりんじ)」(桜井市)
桜井市の多武峰(とうのみね)街道沿いに佇む、奈良時代創建の古刹・聖林寺。ご本尊の子安延命地蔵菩薩座像は、色白の肌に三日月型の優美な眉、紅色が残る唇が特徴的な、大きな石造りのお地蔵様です。寺伝では、江戸時代中期の聖林寺の僧・文春が、自らの姉の難産から女人泰産を願い、4年7ヶ月に及ぶ托鉢による浄財で造像したのだとか。大きなお顔におおらかで優しい笑みをたたえ、安産と子授けの願いを叶えてくれるとして、長きにわたって広く信仰を集めています。
聖林寺にはもう一体、象徴的な仏像が安置されています。長らく秘仏でしたが、明治期の1887年に美術史家の岡倉天心とフェノロサによって禁が解かれた、十一面観音立像です。1951年に第一回目の国宝指定に選ばれた、日本を代表する仏像の一つで、その荘厳さ、気高さは哲学者・和辻哲郎が著書『古寺巡礼』(1979.岩波文庫)で「神々しい威厳と、人間のものならぬ美しさが表されている」と絶賛するほど。現在は、2022年8月に耐震リニューアルした観音堂に安置され、背面を含め、360度拝観ができます。お参りの際は、多くの人々に感銘を与えてきた美しき姿を、新たな祈りの空間でぜひご堪能ください。
小高い場所に立つ聖林寺。
境内からは美しい三輪山や箸墓古墳などが見渡せます。
聖林寺の授与品と、おすすめオリジナルグッズ(一部)
安産御守 各500円 |
犬土鈴お守り(安産お守り)800円 |
花模様手ぬぐい御朱印帳 各1,200円 |
写真集『天平の美仏ー聖林寺 国宝 十一面観音菩薩』 |
聖林寺 詳細DATA |
桜井市下692 0744-43-0005 拝観料600円(小学生300円) 拝観時間9:00~16:30 駐車場30台(300円) |
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交通(公共交通機関) | JR・近鉄桜井駅からバス「聖林寺」下車すぐ |
諸願成就などの秘法を伝える、修験道と山岳信仰の根本道場。
「金峯山寺蔵王堂(きんぷせんじざおうどう)」(吉野町)
金峯山寺の佇む吉野山は、古来、修験道(しゅげんどう)の山として栄えてきました。修験道とは「山」を神聖視し崇拝の対象とする山岳信仰に、日本古来の神道、大陸から渡来した仏教・道教などが融合し、我が国独自の宗教として昇華されたものです。開祖は飛鳥時代の呪術者・役小角(えんのおづぬ)とされ、1400年を経た今日も、吉野山~大峯山一帯では昔と変わらぬ修行が脈々と受け継がれています。
金峯山寺は吉野山のシンボルかつ、修験道の根本道場で、役小角が吉野・大峯山中で修行中に金剛蔵王権現を感得し、開創した寺と伝わります。本堂である蔵王堂(国宝)では、諸災祓い・怨敵退散・諸願成就のご利益があるという、7m越えの巨大な金剛蔵王権現(秘仏)3体が祀られています。蔵王権現は、自然の霊威を体現した修験道のご本尊で、釈迦如来(過去)・千手観音(現世)・弥勒菩薩(未来)が化身した姿なのだとか。過去から未来の三世に渡り、人々の救済を誓う日本最大の秘仏として、平安の御代から崇められてきました。普段は非公開で、特別御開帳の時のみ拝観ができます。
金峯山寺は2024年に世界遺産登録20周年を迎えます。観光を兼ねて、聖地にご利益を授かりに行きませんか。
蔵王堂内の礼堂。格子の奥に見えるのが、金剛蔵王権現のおわす内陣です。
金峯山寺の授与品と、おすすめオリジナルグッズ(一部)
蔵王権現肌守り 800円 |
御朱印帳 1,500円 |
くまぶしくん(小サイズ) 各1,000円 |
修験道Tシャツ各2,500円 |
金峯山寺 詳細DATA |
吉野郡吉野町吉野山 0746-32-8371 境内自由、蔵王堂は800円(中高校生600円、小学生400円。特別開帳期間は大人1,600円、中高生1,200円、小学生800円) 拝観時間8:30~16:00 駐車場なし(吉野山観光駐車場を利用) |
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交通(公共交通機関) | 近鉄吉野駅からケーブルに乗り換え、吉野山駅下車、徒歩10分 |
最後に
今回は、「ご利益参り」をご紹介しましたが、いかがでしたか?
1年間の感謝を伝えて来年も幸運に過ごせますように。お寺に参って運気を上げていきましょう!ぜひ、気になるお寺をチェックしてみてください。
なお、記事内でご紹介した各寺のオリジナルグッズの一部は、奈良専門オンラインショップ「ならわし」(https://narawashi.jp/)でも買うことができます。ご興味のある方は一度ご覧になってみてくださいね。
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