平群町
掲載日:2007年11月1日
奈良県の北西、大阪府との県境に位置するまち、生駒郡平群町―。「たたみごも平群の山」と『古事記』や『日本書紀』、『万葉集』にもうたわれたこの地は、古墳時代から奈良時代にかけて、古代豪族平群氏の拠点として栄えてきた。生駒の山すそに広がる自然と、バラや小菊など花の生産で知られる美しい町に、古代史の息吹を訪ねて―。
南都銀行平群支店(へぐりしてん)のオススメ!
業平道をたどり古墳めぐりを楽しむ
近鉄平群駅の西、国道168号沿いにある平群支店のオススメは、歴史のロマンをたどる「十三街道(じゅうさんかいどう)と業平(なりひら)ロマンの道」ウォーキングです。平群駅から大阪府との境である十三峠へ向かい、東へ折り返して竜田川駅まで戻ってくる約15kmのコースは、いくつかのルートが伝えられる「業平道」の1つで、古墳や古民家の点在するのどかな風景の続く道です。峠へ向かう途中には急な坂もありますが、春には桃、ユキヤナギ、桜、レンギョウ、バラなど、花の町・平群ならではのたくさんの花々に彩られ、ハイカーにも人気のコースです。大阪側を一望する眺めは夕景や夜景もたいへん美しいところです。
平群支店の次のオススメは、町中に点在する史跡・古墳めぐり。町内の古墳はとても多く、その数は60基を超えます。なかでもよく知られるのは、天武天皇の孫にあたる悲劇の皇子・長屋王(ながやおう)の墓とその后の吉備内親王(きびないしんのう)墓、平群町最大の前方後円墳である烏土塚(うどづか)古墳。また「十三街道と業平ロマンの道」沿いにも、つぼり山古墳、剣上塚古墳、四ツ辻古墳などが点在します。巨大古墳から小さな円墳までの古墳めぐりは、古代豪族の栄えた地ならではの楽しみ方といえるでしょう。
3番目のオススメは、平群町を代表する寺院、信貴山朝護孫子寺(しぎさんちょうごそんしじ)。商売繁盛の神・毘沙門天(びしゃもんてん)が祀られ、山門をくぐるとすぐ、お寺のシンボルでもある大きな寅が出迎えてくれます。山の中に建つ寺院だけに、「寅づくし」の境内には自然がいっぱい。山頂に建つ空鉢護法(くうはつごほう)まで歩けば、ちょっとしたハイキングです。本堂からの大和平野の眺めは絶景で、毎月3日と寅の日の縁日は参拝者で賑わいますが、平成22(2010)年の寅年には、大祭が行われます。
そして平群町に来たら足を運んでいただきたいのが、国道168号バイバス沿いの「道の駅 大和路へぐり・くまがしステーション」。駅に隣接する「くまがしステーション」では、毎朝9時からの青空市(朝市)が大人気。地元産の野菜や果物、花がところ狭しと並び、新鮮かつ安価とあって、遠方からも買い物客が訪れます。また11月から3月末ころまでは、地元で獲れたイノシシの「しし肉料理」が食べられ、これも人気のメニューです。自然と史跡と新鮮な地物があふれる町、平群町を、ぜひ訪ねてみてください。