生駒
掲載日:2009年1月1日
奈良県と大阪府の境にある生駒山(いこまやま)。そのなだらかに広がる東の山裾に栄えた生駒市は、古くからの信仰厚い宝山寺と、日本一を誇る伝統の茶筌(ちゃせん)づくりで知られる街。大阪の都会と山一つ隔てて静かに息づく生駒の街は、どこか懐かしさ漂う街でもある―。
南都銀行生駒支店のオススメ!
生駒山と茶筌の里に遊ぶ一日
奈良県と大阪府の境にどっしりと山裾を広げる生駒山(いこまやま)。その東麓に開けた生駒市の中心部、近鉄生駒駅の北側に、南都銀行生駒支店はあります。
生駒支店が最初にオススメするのは、生駒を代表する名刹・宝山寺です。“生駒の聖天さん”として親しまれ、現世利益、商売繁盛の祈願所として、1年を通じ大勢の参拝者で賑わっています。生駒山腹にある境内には敷地いっぱいに伽藍が建ち並び、数多くの仏たちが安置され、背後にそびえたつ奇岩「般若窟(はんにゃくつ)」や本堂前に建つ大きな鳥居なども、独特の雰囲気を醸し出しています。
商売をされている方などから特に信仰を集める宝山寺ですが、それを実感できるのが毎月の晦日(みそか)から翌月の1日にかけて、日にちの変わる真夜中に行われる“一日参り(ついたちまいり)”です。夜中にもかかわらず、境内にはひっきりなしに参拝者が訪れ、夜店も立つ盛況ぶりです。もちろん初詣の賑わいは実に活気あふれるものです。
宝山寺の人気は、お参りだけにとどまりません。最近では、中高年の方を中心に、生駒山ハイキングも人気を集めています。麓から、あるいはケーブルの途中駅を起点に宝山寺周辺の滝や山頂などを訪ねる軽登山は、無理なく気軽に生駒の自然を楽しむことができます。展望の開けたところからの眺めは絶景で、生駒市や奈良市を一望でき、東に遠く春日山や若草山を望めます。また少し南に足を伸ばせば、火祭りで知られる往馬(いこま)大社もあります。
次にオススメするのは、生駒山からの夜景です。奈良県と大阪府、昼間は両方の眺望を楽しめる生駒山は、夜になれば絶好の夜景スポットでもあります。生駒山を縦走する信貴生駒スカイラインにはビューポイントに駐車場も設けられ、さえぎるものの何もない夜景を楽しむことができます。一面に光の海が広がる大阪側の夜景も、静けさにひたるような奈良側の夜景も、それぞれに味わいがあります。夕暮れどき、刻々と変化する空の色と次第に明るくなっていく街の灯りも、また美しいものです。冬は空気が澄んで、よりいっそう美しい景色が楽しめることでしょう。スカイラインに隣接して生駒山上遊園地もあり、夏の花火、冬のアイススケートもオススメです。
最後にご紹介するのは生駒の茶筌(ちゃせん)です。生駒市北部の高山は古くから竹が多く自生し、竹を利用した工芸品の生産が盛んなところです。なかでも室町時代に端を発するといわれる茶筌は、全国一の生産量を誇ります。昭和50年には伝統的工芸品の指定を受け、現在も流派にあわせて60種類以上に及ぶ茶筌が作られています。茶筌のほかにも柄杓(ひしゃく)や茶杓(ちゃしゃく)、香合(こうごう)が作られているほか、編みものに用いられる編み針は、世界的にも信頼の高い品です。
高山の高山竹林園では茶筌などを展示するほか、お茶会や十六夜(いざよい)コンサートなども開かれています。これからの寒い季節、田んぼでは高山の風物詩でもある竹を天日干しする光景が見られます。一日ゆっくりかけて味わえる生駒の街に、ぜひ足をお運び下さい。