桜井
掲載日:2009年11月1日
南都銀行桜井支店のオススメ!
紅葉の社寺に歴史と仏像をめぐる
南都銀行桜井支店は、古くから交通の要所として栄えてきた桜井市の中心部、JR・近鉄桜井駅の南側にあります。
桜井支店の最初のオススメは市の南部、多武峰(とうのみね)にある談山神社(たんざんじんじゃ)です。藤原鎌足(ふじわらのかまたり)を祭神としてまつる談山神社は、鎌足と中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)とが、蘇我氏を滅ぼすクーデター(大化の改新)を起こすにあたって「談(かた)らった(=相談した)山」というエピソードが、名前のいわれとなっています。また日本で唯一としてよく知られる桧皮葺(ひわだぶき)の木造十三重塔(重文)は近年修復され、朱色鮮やかな姿に生まれ変わりました。
四季折々美しい自然に囲まれた談山神社ですが、とくにオススメしたいのは11月から12月にかけての紅葉のころです。全山が、赤、黄、オレンジなど、色とりどりの錦に彩られ、その山々を背景に、十三重塔や社殿が建ち並ぶ風景は実に豪華絢爛(ごうかけんらん)。神社では「紅葉まつり」も行われますので(2009年は10月11日(日)~12月13日(日))、ぜひ紅葉狩りに出かけられてはいかがでしょう。境内から徒歩20分ほどの後破裂山(ごはれつさん)からは、大和三山や二上山(にじょうざん)もよく見渡せます。
次にオススメするのは、高さ2mを超える大きな十一面観音立像(国宝)で知られる聖林寺(しょうりんじ)です。桜井市から談山神社へ向かう山腹にある聖林寺は、藤原家の氏寺(現在の談山神社)の別院として建立されました。奈良時代作の十一面観音立像は、堂々とした量感のある姿のなかに気品と優しさをもつ仏像彫刻の名品で、この観音様に会いに繰り返し訪れる参拝者も多いといいます。また本尊である子安地蔵大石仏(こやすじぞうだいせきぶつ)も、安産と子授けの仏として信仰を集めます。境内からは卑弥呼の墓といわれる箸墓も一望できるので、訪ねられた際にはぜひお見逃しなく。
最後のオススメは、安倍文殊院(あべもんじゅいん)です。ご本尊は知恵の神様である文殊菩薩像(重文)で、そのため冬から春にかけては、合格祈願に訪れる受験生の姿も多く見られます。また転じてぼけ封じのご利益があるともいわれ、年配の方の参拝も多く、広い境内は大勢の参拝客でいつもにぎわっています。境内の一角には、美しい石室をもつ古墳や陰陽道で一躍有名になった安倍晴明をまつる安倍晴明神社があり、さらに秋にはコスモス迷路も開園するなど、実にバラエティーに富んだお寺です。本尊の文殊菩薩像は、獅子の背の蓮華座に乗る騎獅像として知られていますが、今年8月に修復のため37年ぶりに獅子の背から降ろされました。現在、獅子の背から降ろされたままの姿で、初めて一般に公開されています(2010年11月末まで)。貴重な機会ですので、ぜひ拝観されてはいかがでしょう。
飛鳥に都が置かれる前、多くの集落や古墳が築かれ、古代から脈々と歴史の息づくこの地域を、ぜひ一度訪ねてみてください。