西大寺
掲載日:2010年10月1日
南都銀行西大寺支店のオススメ!
復原された平城宮跡と南都の古寺を訪ねて
南都銀行西大寺支店は、近鉄大和西大寺駅の北口に面しています。 西大寺支店の最初のオススメは、平城宮跡です。2010年は平城遷都1300年にあたり、現在この平城宮跡をメイン会場に「平城遷都1300年祭」が開催中です。
710年、飛鳥の北の藤原京から遷された平城京は、唐の都・長安をモデルに造られた南北約5km、東西約6kmにおよぶ広大な都でした。平城宮はその最北部に位置し、国家的な儀式・政治を行う大極殿(だいごくでん)や朝堂院(ちょうどういん)、さらに天皇の住まいである内裏(だいり)など、国のもっとも重要な施設が置かれました。
現在平城宮跡には朱雀門(すざくもん)と第一次大極殿などが、さらに東の張り出し部分には東院庭園が復原されており、当時の都の壮麗さを体感することができます。とくに2010年に復原を終えた第一次大極殿は、専門家の研究成果を結集し、建設に9年の歳月をかけた壮大な建物で、平城遷都1300年祭の開幕とともに公開されました。古代の技術を用いて、細部にわたって復原された建物は必見です。第一次大極殿の東には、広い芝生の中に第二次大極殿跡として基壇が設けられています。この基壇の上から眺める生駒山の夕暮れはオススメ。第一次大極殿が夕陽を浴びてシルエットとなり、美しい夕景を演出してくれます。
平城宮跡メイン会場の平城京歴史館では、VRシアターによる平城京の復原映像や遣唐使船の復原展示も大人気(要入場整理券)です。平城宮跡メイン会場は11月7日までの開場ですので、この機会に是非お越しください。
次のオススメは、平城京を代表する大寺・西大寺です。西大寺の歴史は764年、聖武天皇の娘・称徳天皇による四天王像造立の発願に始まります。当時の寺域は現在の27倍もの広さがあり、100を超える堂宇が建ち並んでいました。その後、寺は衰退しましたが、鎌倉時代半ばに興正菩薩叡尊(こうしょうぼさつえいそん)が真言律宗の根本道場として再興し、ほぼ現在の姿となりました。この叡尊が始めたのが「大茶盛式」(おおちゃもりしき)です。直径30cm、重さ7kgもの大茶碗を、大人3人がかりで支えながらお茶をいただく光景は笑いを誘うユニークなものですが、もともとは1239年、叡尊が鎮守八幡に献茶した余服を参集者に施したことに由来する由緒ある儀式です。毎年1月、4月、10月に行われていますので、ぜひ参加されてみてはいかがですか(2010年の秋の大茶盛式は10月10日に開催)。
最後のオススメは、秋篠寺です。784年に平城京が長岡京に遷されるのとほぼ同時期に造営された秋篠寺は、光仁天皇勅願の古刹です。木々に囲まれた境内はすがすがしく、庭一面を緑鮮やかな苔が覆います。秋篠寺一番のみどころは、本堂に祀られる天平の美女・伎芸天(ぎげいてん)です。おだやかな微笑みを浮かべ、わずかに腰をひねった姿は“東洋のミューズ”にふさわしく、多くの歌や俳句に詠まれてきました。2010年11月8日~21日には、平城遷都1300年を記念した秘仏・大元帥明王(たいげんみょうおう)立像の特別開扉もあり、伎芸天とは打って変わった迫力ある姿を拝観することができます。なお駐車場やバス停に近い東門から入山する方が多い秋篠寺ですが、ぜひ一度、南門からも入ってみてください。ひなびた南都のお寺のたたずまいが感じられ、味わい深いものがあります。
大和西大寺駅から平城宮跡の北側には、神功(じんぐう)皇后陵をはじめ巨大前方後円墳が点在する佐紀盾列(さきたたなみ)古墳群が広がります。古墳と古墳の間を行く道は、地元の人々のかっこうの散策コース。あわせて、佐紀路に点在する古社巡りもいかがですか。古墳と古刹と都城、古代の奈良を象徴するような見どころ多い西大寺周辺へ、ぜひお出かけください。